TOYOTA、過去最大の743万台リコール
TOYOTAは10日、全世界で過去最大となる約743万台のリコール(回収・無償修理)を実施すると発表し、国土交通省など国内外の当局に届出を行った。
パワーウィンドウのスイッチ部分にある潤滑油(グリース)が均一に塗られていないため、通電時に発生する火花で部品が焼けて炭化したり煙が発生したりする恐れがある。走行性能には問題はないが、マスタースイッチが機能しなくなるため、パワーウィンドウが動作しなくなる恐れがある。
日本国内では2006年9月から2008年7月までの期間に製造された「Vitz」「Belta」「Ractis」「ist」「AURIS」「COROLLA RUMION」の6車種、計45万9326台がリコール対象となる。39件の不具合が報告されているが、負傷者の報告はない。
一方、国外では「COROLLA」や「Highlander」など、北米で約271万台、中国で約140万台、ヨーロッパで約139万台、オセアニア・アジアで約65万台、中近東で約49万台、その他の地域で約33万台がリコール対象となる。
このうち、アメリカでは2008年9月に「CAMRY」のパワーウィンドウスイッチの「異臭」と「熱損傷」について、TOYOTAが問題を把握し、道路交通安全局(NHTSA)に報告していた。ただ、不具合の発生が散発的なものだったため、個別事案として対応していた。NHTSA報道官のLinda Tran氏は、TOYOTAから報告があった事実を認めた。同報道官によると、これまでに9件の軽傷事案と161件の出火を確認しているという。
TOYOTAがNHTSAに対して提出した報告書によれば、問題のスイッチを製造したのは東海理化電機製作所(日本・愛知県丹羽郡大口町)とその北米子会社であるTRAM(Plymouth, MI, USA)だという。
TOYOTAの広報担当者である布施直人氏は、リコールが遅れたことを詫びた上で、「前回の大規模リコールの教訓もあり、誠心誠意なるべく早くやりたいという気持ちはあったが、溶解した部品もあり、原因特定に時間がかかってしまった」と説明した。 また、Dion Corbett氏も、リコールの発表が遅れたことについて、「こちらの初歩的なミスだった」として謝罪した。
今回のリコールでは、スイッチに新たな潤滑油を塗ったり、部品を交換したりする。修理時間は40分程度で、大がかりなものではないという。また、改善済み車両については、日本の場合、識別のため車体番号打刻位置の右上に黄色の識別標識をペイントすることにしている。
日本の自動車メーカー各社は今後、コスト削減のため、主要部品の型を半分に削減したり、共通化比率を2倍にしたりする計画を打ち出している。しかし、今回のリコールで、1つの部品に問題が起きると、リコール台数が大きく膨らんでしまうという実態が改めて浮き彫りになった。各社には、コスト削減と品質向上の両立という重い課題がのしかかっている。
TOYOTA、過去最大の743万台リコール実施へ
パワーウィンドウに不具合、全世界14車種が対象―2008年には問題把握し、当局へ報告済み
パワーウィンドウに不具合、全世界14車種が対象―2008年には問題把握し、当局へ報告済み
パワーウィンドウのスイッチ部分にある潤滑油(グリース)が均一に塗られていないため、通電時に発生する火花で部品が焼けて炭化したり煙が発生したりする恐れがある。走行性能には問題はないが、マスタースイッチが機能しなくなるため、パワーウィンドウが動作しなくなる恐れがある。
日本国内では2006年9月から2008年7月までの期間に製造された「Vitz」「Belta」「Ractis」「ist」「AURIS」「COROLLA RUMION」の6車種、計45万9326台がリコール対象となる。39件の不具合が報告されているが、負傷者の報告はない。
一方、国外では「COROLLA」や「Highlander」など、北米で約271万台、中国で約140万台、ヨーロッパで約139万台、オセアニア・アジアで約65万台、中近東で約49万台、その他の地域で約33万台がリコール対象となる。
TOYOTAがNHTSAに対して提出した報告書によれば、問題のスイッチを製造したのは東海理化電機製作所(日本・愛知県丹羽郡大口町)とその北米子会社であるTRAM(Plymouth, MI, USA)だという。
TOYOTAの広報担当者である布施直人氏は、リコールが遅れたことを詫びた上で、「前回の大規模リコールの教訓もあり、誠心誠意なるべく早くやりたいという気持ちはあったが、溶解した部品もあり、原因特定に時間がかかってしまった」と説明した。 また、Dion Corbett氏も、リコールの発表が遅れたことについて、「こちらの初歩的なミスだった」として謝罪した。
今回のリコールでは、スイッチに新たな潤滑油を塗ったり、部品を交換したりする。修理時間は40分程度で、大がかりなものではないという。また、改善済み車両については、日本の場合、識別のため車体番号打刻位置の右上に黄色の識別標識をペイントすることにしている。
日本の自動車メーカー各社は今後、コスト削減のため、主要部品の型を半分に削減したり、共通化比率を2倍にしたりする計画を打ち出している。しかし、今回のリコールで、1つの部品に問題が起きると、リコール台数が大きく膨らんでしまうという実態が改めて浮き彫りになった。各社には、コスト削減と品質向上の両立という重い課題がのしかかっている。
