敦子は荷物を北川に預け、化粧室へ行った。
搭乗直前なのに、落ち着いたものである。
消毒の薬のような臭いの機内。
「おじゃせきのベルトをおしめください」
このアナウンスがたまらない。かわいい。
体が張り付けられるような感覚で離陸した。
他人から見ると夫婦に見られるかも知れない、でも本当に友達、いい関係だ。
敦子は深いブルーのノースリーブと黒いスカート。いつも抑えた服装である。
それにくらべ北川はよれよれのスボンに下品な花柄のシャツ。海外へは国産時計をして行く。財布も国産。よく付合ってくれるものだ。
大好きな無料のビールを飲んでいるうちに、韓国の景色が近づいてきた。到着。
「僕は世宗ホテルにするけど、決めているの?」
「私もそうするわ。でもどうしてシングルって少ないの」
陰陽の翼?
敦子は荷物を北川に預け、化粧室へ行った。 搭