議論を進めるために（話し合いの手引き）

■議論とは
　　互いに自分の意見を述べ合い
　　　　　論じ合う事
　　　　　　　　意見を戦わせること（広辞苑より）

「自分の説」とは
　　　自分の考えをつくり、それを意見にまで高めることです。
「論じ合う(話し合う)」ためには
　　　話し合っている内容を明らかにしなくてはなりません。
「意見を戦わせる」とは
　　　意見の違いを理解し、互いに分かり合うことです。

■　話し合うまで

■　1  考えをつくる

まず、あることについて自分の考えをつくるためには、関係することを思い出したり事実を集めたりすることが大切です。例えば、自分の経験を振り返ったり、出かけて調べたり、本やインターネットで調べたり、インタビューしたりなどします。 次に、事実から自分の思いをもつことが必要です。『ぜひ、紹介したい』『ぜひ、広めたい』『ぜひ、大切にしたい』など、自分の意志をもつのです。

さらに、自分の気持ちをプラスしましょう。『うれしかった』『悲しかった』『驚いた』など、自分だから感じたことがあるはずです。 事実から、思いをもち、気持ちをプラスすることで、自分の考えがはっきりとしてきます。

意見というのは、自分の考えを分かりやすく他へ伝えるようにすることです。そのためには、聞いている友達を十分意識することが必要です。そのために、次のことに気をつけましょう。

• 結論として言いたいことがはっきりとしているか
• 自分が言いたくなったわけを述べているか
• 聞いている友達が笑ったり真剣になったりすることがあるか
• 『なるほど』と思わせるための材料はあるか

など、そして、自信をもって、明るく堂々と意見を述べましょう。

■　話し合いの中で

■　３　論点を明確にする

議論を進めるためには、意見を言う人だけはでなく、司会として意見を整理する人も必要です。ここでは、司会者の役割について考えます。

司会者は、意見を聞き分けて、整理することが主な仕事です。そのためには、事前にどのような意見が出てくるのかを予測しておくことが必要です。事前に予測しておけば、特に議論の中心となることがはっきりします。また、議論を進める上での問題点も明らかになるでしょう。

司会者は、おおよそ次のように議論を進めます。「１提案　２質問　３意見交換　４論点の整理　５結論」です。

「１提案」では

提案したいことが伝わるようにします。なるべく短い時間で提案が進むようにしましょう。

「２質問」では

似たような質問をまとめます。また、質問に対する答えは、誰もが分かるように具体的にしてもらいます。

「３意見交換」では

いくつかある意見の違いを明らかにして、それぞれの意見のよさがはっきりするように話し合いを進めます。

「４論点の整理」は

意見交換の中で何回か行うことが必要です。今、何が話題となっていて、どのように解決を進めていくのかを司会者が提案するのです。

「５結論」は

多数決ではなく、意見を出し尽くしたという満足感の中で、よりよいものを互いが認め合うようにします。

■　４　議論を終わらせる

そして、他の意見のよいところはどこかを考えたり、意見をあわせることはできないかを考えたりします。つまり、『Ａか？Ｂか？』ではなく、ＡとＢのよさをあわせてＣをつくろうとするのです。この時、話し合いが終わる時刻を決めておくことで、時間内に何とか譲り合いながらよりよい意見をつくろうと、話し合いの参加者全員が協力することがあります。

　　議論を勧めるためには、まず、自分の意見をしっかり持ちましょう

　　そして、自分ではない他の意見を尊重しましょう

　　議論は、互いを高めあうよい機会なのです。

----------------

上は、こども富山県議会を作る　という富山県の取り組みにおける、「議論の進め方」について書かれたものです。http://www2.tkc.pref.toyama.jp/contents/furusato/kodomokengikai/tsukuru/giron.htm

もともとは、多人数が参加する会議における　議論の進め方　について書かれたものですが、公開掲示板における議論の進め方にも適用できると考えます。

もちろん、会議方式では司会者の役割が重要なのですが、掲示板では参加者ひとりひとりが、議論の進め方のルール・マナーを自覚し、相手の意見を尊重する事で、円滑で、実りある議論になるものと考えます。