北朝鮮に石油を密輸していた韓国船舶、中国に摘発され1週間拘留
https://www.chosun.com/politics/2020/12/24/ZQZHKE7OEJCXFHRZ4AG36VCZ74/朝鮮日報(韓国語) 2020年12月24日
制裁発覚、1週間抑留
日本の哨戒機が撮影した北朝鮮に石油を密輸する国籍不明の船
韓国船舶が北韓に石油を密輸していたことが明らかになった。中国側は船舶が「国連安保理対北制裁決議」に違反したとして船舶を占拠したと伝えられた。国際社会で対北制裁常習違反国と非難されている中国に韓国が「制裁違反」の現場を押さえられ、捜索まで受けたのだ。
23日、複数の政府筋によると、韓国国籍の石油化学製品運搬船L号が今月12日、中国マカオ近隣の海上で中国の海洋警察に抑留された。この船舶は貨物積載トン数が9000トン級で、当時、韓国人4人を含めて20人余りが乗っていた。中国の海警は、L号が海上で国連の対北制裁が禁止する不法船舶間の積み替え(ship-to-ship transfer)手法で、北韓に石油を販売している情況をつかみ、追跡してきたという。L号は1週間余りの検査を受けた後、先週末に解放された。
国連安保理決議第2397号によって、北韓は年間50万バレル(約6万6500トン)以下の精製油しか輸入できないが、実際は海上積み替えなどの不法経路で国際社会の監視網を避け、最大160万バレルを輸入しているものと把握されている。
韓国船舶が、対北制裁違反の容疑を受けたのは初めてではない。2018年には、同じく船舶間の積み替えで北韓に石油を密輸出していた韓国船舶が米国・日本に捕捉された。しかし対北制裁の最大妨害国である中国から韓国が「制裁違反」との指摘を受けたのは非常に異例のことだ。政府筋は「個別船舶の逸脱行為でも、韓国政府に監視責任が問われる可能性がある」と語った。
「人権無視」に続いて、「制裁違反」の汚名まで
韓国国籍の船舶が北韓に石油を密輸して中国当局に乗船検査を受けたのは「泥棒をして大泥棒に捕まって恥をかいた状況」に他ならない。中国は、国連安保理の対北制裁決議を露骨に違反し、北韓に食糧や原油などを提供してきた。安保理対北制裁委員会によると、中国の制裁違反事例は、今年摘発されたものだけでも60件を超える。制裁違反の主犯にあたる中国が、「制裁違反」を掲げ、韓国船舶を海上で検査したのだ。
中国の海上乗船検査は、安保理決議第2375号7項に基づいたものだ。これによると、国連加盟国は特定船舶が制裁違反をしたという合理的な疑いがあれば公海上で船舶所属国の同意の下で乗船検査を行うことができる。中国は今月12日に韓国船舶を抑留する際、韓国政府に通知しなかったという。この過程で船員たちの携帯電話も押収したという。
対北制裁を事実上無視している中国が無理な方法で韓国船舶を検査したのは、米国に対して「我々だけを問題視するな」というメッセージを送ったという解釈が出ている。経済制裁を北核解決の核心レバレッジと考える米国は最近、中国に対する圧迫の水位を高めている。国務省の官僚らは、北韓船舶がこの1年間、中国の寧波-舟山に数百回も石炭を運んでいたという事実をメディアを通じて公開した。北韓の石炭輸出は国連制裁で禁止されているが、中国の黙認の下、今年第3四半期までに4000億ウォンを獲得したという。米国は中国をターゲットにしているが、中国は韓国の違反事例を確保し、「核心当事国である韓国から『穴』が空いているのではないか」と反撃できるということだ。
今回の韓国船舶の制裁違反と政府の関連性は明らかになっていない。しかし、韓国国籍の船舶が制裁違反に関与した事例が相次ぐのは、韓国政府の責任論が提起される要素だ。さらに、2018年に南北対話が始まって以降、国際社会は韓国の制裁履行の意志を疑っている。安保理対北制裁委員会は韓国政府が南北共同連絡事務所の設置過程で石油製品を搬出した事例をすべて「制裁違反」と規定した。政府筋は「ただでさえ対北ビラ禁止法問題で人権、表現の自由抑圧の指摘を受けているのに、ややもすると『対北制裁違反国の汚名まで着せられる恐れがある」と話した。
北朝鮮に石油を密輸していた韓国船舶、中国に摘発され1週間拘留
https://www.chosun.com/politics/2020/12/24/ZQZHKE7OEJCXFHRZ4AG36VCZ74/朝鮮日報(韓国語) 2020年12月24日
制裁発覚、1週間抑留
日本の哨戒機が撮影した北朝鮮に石油を密輸する国籍不明の船
韓国船舶が北韓に石油を密輸していたことが明らかになった。中国側は船舶が「国連安保理対北制裁決議」に違反したとして船舶を占拠したと伝えられた。国際社会で対北制裁常習違反国と非難されている中国に韓国が「制裁違反」の現場を押さえられ、捜索まで受けたのだ。
23日、複数の政府筋によると、韓国国籍の石油化学製品運搬船L号が今月12日、中国マカオ近隣の海上で中国の海洋警察に抑留された。この船舶は貨物積載トン数が9000トン級で、当時、韓国人4人を含めて20人余りが乗っていた。中国の海警は、L号が海上で国連の対北制裁が禁止する不法船舶間の積み替え(ship-to-ship transfer)手法で、北韓に石油を販売している情況をつかみ、追跡してきたという。L号は1週間余りの検査を受けた後、先週末に解放された。
国連安保理決議第2397号によって、北韓は年間50万バレル(約6万6500トン)以下の精製油しか輸入できないが、実際は海上積み替えなどの不法経路で国際社会の監視網を避け、最大160万バレルを輸入しているものと把握されている。
韓国船舶が、対北制裁違反の容疑を受けたのは初めてではない。2018年には、同じく船舶間の積み替えで北韓に石油を密輸出していた韓国船舶が米国・日本に捕捉された。しかし対北制裁の最大妨害国である中国から韓国が「制裁違反」との指摘を受けたのは非常に異例のことだ。政府筋は「個別船舶の逸脱行為でも、韓国政府に監視責任が問われる可能性がある」と語った。
「人権無視」に続いて、「制裁違反」の汚名まで
韓国国籍の船舶が北韓に石油を密輸して中国当局に乗船検査を受けたのは「泥棒をして大泥棒に捕まって恥をかいた状況」に他ならない。中国は、国連安保理の対北制裁決議を露骨に違反し、北韓に食糧や原油などを提供してきた。安保理対北制裁委員会によると、中国の制裁違反事例は、今年摘発されたものだけでも60件を超える。制裁違反の主犯にあたる中国が、「制裁違反」を掲げ、韓国船舶を海上で検査したのだ。
中国の海上乗船検査は、安保理決議第2375号7項に基づいたものだ。これによると、国連加盟国は特定船舶が制裁違反をしたという合理的な疑いがあれば公海上で船舶所属国の同意の下で乗船検査を行うことができる。中国は今月12日に韓国船舶を抑留する際、韓国政府に通知しなかったという。この過程で船員たちの携帯電話も押収したという。
対北制裁を事実上無視している中国が無理な方法で韓国船舶を検査したのは、米国に対して「我々だけを問題視するな」というメッセージを送ったという解釈が出ている。経済制裁を北核解決の核心レバレッジと考える米国は最近、中国に対する圧迫の水位を高めている。国務省の官僚らは、北韓船舶がこの1年間、中国の寧波-舟山に数百回も石炭を運んでいたという事実をメディアを通じて公開した。北韓の石炭輸出は国連制裁で禁止されているが、中国の黙認の下、今年第3四半期までに4000億ウォンを獲得したという。米国は中国をターゲットにしているが、中国は韓国の違反事例を確保し、「核心当事国である韓国から『穴』が空いているのではないか」と反撃できるということだ。
今回の韓国船舶の制裁違反と政府の関連性は明らかになっていない。しかし、韓国国籍の船舶が制裁違反に関与した事例が相次ぐのは、韓国政府の責任論が提起される要素だ。さらに、2018年に南北対話が始まって以降、国際社会は韓国の制裁履行の意志を疑っている。安保理対北制裁委員会は韓国政府が南北共同連絡事務所の設置過程で石油製品を搬出した事例をすべて「制裁違反」と規定した。政府筋は「ただでさえ対北ビラ禁止法問題で人権、表現の自由抑圧の指摘を受けているのに、ややもすると『対北制裁違反国の汚名まで着せられる恐れがある」と話した。