日本人が見た1894年の朝鮮インの悲惨な生活
趙甲濟
本間九介という日本人が韓国を旅行した「朝鮮雑記」の副題は、「日本人が見た1894年の李氏朝鮮」である。
朝鮮インたちは貧しくて汚くて腐敗していて卑怯で怠惰な人々として描かれている。
同じ時期、朝鮮を旅行した西洋人たちが残した文と似ていて、否定的な観察が多い。
西洋人は朝鮮インの民族性ではなく、朝鮮と政治制度の問題を本質的な原因として見たが、本間はそのような構造解析は弱い。
彼は旅行中に体験した事実を中心に紹介している。
1、「残飯を欲しがる」という小見出しの記事では、宿主が食べ物の準備をして、本間が食べようとしたときに起きた騒動を紹介している。
本間がスプーンを持った瞬間に、隣人が旅館に入ってきた。
宿屋の主人が詰問した。
隣人は、「私は日本人がどのようにして食べるのかを見ようとしたのである。怒るな」と言う。
宿屋の主人は「お前がこのタイミングでやってきたのは、お客さんの食べ残しを食べようとしたからではないか。珍客が残した食べ物を、どうしてお前なんかに与えるものか」と叫ぶ。
隣人は「疑うなら帰る」といって去る。
本間は、隣人を人間扱いしない主人に怒ったが、じっくり考えてみると、実際に残飯を待っていたのは宿屋の主人ではないかという気がしたという。
<衣食足りて礼節を知るという。だからこの国にこのような習俗があるというのは不思議なことではない。>
2、「官吏はすべて泥棒だ」という小見出しの文は、民を搾取する腐敗した官吏の話である。ある外国人が朝鮮インに言った言葉を引用した。
「あなたの国の官吏は勝手に民の財産を奪う。公盗である。公的な人間が民を苦しめる。私盗よりも悪質である。なぜあんな泥棒を殺して国を正すという考えを持たないのだろう?」
本間は、朝鮮インが官吏の虐政にあまりにも長い間慣れて、何の問題意識すら感じていないと評した。
子々孫々、遺伝子からその運命を受け入れているのである。自暴自棄!
3、本間は「朝鮮は腐った卵のようだ。孵化する力がない」とした。
「腐った卵から孵化するか。自らの力で殻を破って出てきて鳴けるだろうか」と問う。
4、本間が慶尚道の陜川である家に滞在したときに目撃した官吏の横暴。
いきなり三、四人の官吏が現れ、家の主人を捕縛し、連れて行こうとした。
村の人々が集まって善処を訴えても見向きもしない。
この家の奥さんが2貫程度の小判の包みを持ってきて捧げた。
官吏は突然表情が柔らかくなり、主人を解放し、お金を貰って立ち去った。
何の罪を犯したのかと尋ねると、事情は簡単だった。
郡守が近くを通過したとき、この家の主人がキセルを口にくわえていたのが不敬罪として捕まえられたのだった。
5、この国の中流以上の妻でも、重病にかかっても、医師の診断を受けることができない。
せいぜい手を出して脈拍をはかる程度である。
この国の婦女子は重病にかかっても医師からきちんとした治療も受けられずに死ぬ運命だ。
6、この国の武芸は弓術だけだ。
7、朝鮮の山々は裸だ。
木がないので小さな干ばつでも水がなくて農業が壊れる。
収穫が困難になると、親は子供を金持ちや中国人に売って穀物を買っている。
8、朝鮮での喧嘩は激しい口喧嘩から始まり、汚らしく胸ぐらや髪の毛をつかみ合って終わる。朝鮮には決闘文化がない。
9、朝鮮は汚い。
魚や野菜は腐っていて、調理している場面を見ると、かなりの豪傑でもスプーンを持ち上げることができなくなるだろう。
10、道が狭い。
釜山からソウルまで、大路という道ですら、一人がやっと通れるほどである。
新羅時代には一般人も牛車を利用するほど道路が整備されていたというのに、朝鮮はなぜこうなったのか?
ソウルから北に行くと道が広くなるが、これは中国の使臣のためだろうか?
11、ここの役人、すなわち武官は、武芸も知らず戦法も知らない。
彼らは兵士を率いて祖国を守るという考えすらない。`
━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
ある企業がギフトとしてくれた本「朝鮮、1894年の夏」を読んだ。
「本と共に」という出版社から出た本で、オーストリア人旅行者のヘッセ=ヴァルテッグの朝鮮旅行記である。テョンヒョンギュ翻訳。
釜山、済物浦、ソウルについての生々しい描写があって一気に読んだ。
日清戦争のころの朝鮮と朝鮮インたちの話だ。
私たちの先祖が開花期の入り口にこのように住んでいたんだという実感がわく。
本を読み終えるとこのようなイメージが残る。
貧しくて汚い。男は仕事をしない。賭けごとに熱心だ。仕事は女性がしている。彼女たちはあまりにも犠牲的で勤勉である。官吏が腐敗しており、搾取だけしているので働く動機が生まれない。人々の体格はよく、持って生まれた健康体質である。本性が良いので良い政府なら短期間で成長する。
著者は日本から船に乗って釜山港に入ってくるときの感じをこう書いた。
<朝鮮の殺伐とした岩海岸が正面から私たちを睨んでいる。
見ていると、最悪の野蛮国家という評判を受けている半島国家に対する驚愕と、日本と朝鮮の間にあった残酷な戦争と、前の数世紀間の流血の戦いと、そして朝鮮の支配者がわずか10年余り前にカトリック信者を殺害した血の海を思い出した。
海の真ん中にそびえる5つの石を指している船長の手振りが私を思いから目覚めさせた。
その横を過ぎながら、私たちは遠くから日本人居住地の白い家を見て、すぐにそこに停泊した。>
著者は農村ではなく釜山、ソウル、済物浦などの都市だけみたので失業状態に驚愕する。
<かれらが絶対しないことが一つある。まさに仕事である。おそらく死んでしまったこの国には仕事がないからだろう。仕事をする機会が多い港の朝鮮インは勤勉で忍耐がある。中国人のように忍耐力があって満州人のように力がある。女性が働く町はきれいである。女性は感動的な勤勉と感嘆に値する忍耐力でその義務を果たす。>
日本人に対する好評価が対照的である。
<日本は済物浦を占領し、すでに首都まで占領した。それでも日本軍は朝鮮インより振る舞いがよい。彼らはすべての商品を現金で購入し、礼儀正しく行動し、酒に酔ったりせず、規律がある。日本の将校たちは礼儀正しくて教養がある。>
バルテックはソウルのみずぼらしさに驚く。
<ソウルはおそらくホテルや喫茶店、その他欧州旅行者のための宿泊施設を見ることができない地球上で唯一の首都であり、王の居住地である。
今まで私が見てきた都市の中でも、ソウルは確実に最も奇妙な都市だ。
25万人ほどが居住する大都市なのに、5万軒の家がわらぶき屋根の土作りの家だなんて、他のどこにあるか?
最大の道路は下水が流れ込んで溝になってしまっている都市、
産業も、煙突も、窓ガラスも、階段もない都市、
劇場もコーヒーショップも喫茶店も公園も庭園も理髪店もない都市、
家には家具やベッドもなく、便所は直接道にしている。
男女を問わず、すべての住民が白い服を着ているのに、他のどの国よりも汚い糞尿の都市、
宗教も街灯も上水道も馬車も報道もない。
こんな国が他にあるのか?>
それでもソウルは決して健康に有害な場所ではないと指摘する。
冬の酷寒と夏のにわか雨が伝染病を防いで汚物を洗い流していくからだという。
彼は男の怠惰と女の勤勉さを複数回対照させる。
<私は男が働いている姿を一度も見なかった。
彼らは家の中や家の前にしゃがんで座り、小さな中国パイプを口にくわえてのんびりしたり、一団となって集まって遊んだり、寝ていた。
一方で、小さくて苦労のために痩せた女性は家事を引き受け、調理し、洗濯をしていた。
すべての労働は女性の仕事だ。
まさにこの国は女性を尊重していない民族で、女性を尊重していない民族は文化水準が低いという事実が証明されている。
朝鮮の女性たちは、荷台の動物以下の存在である。
男性は奴隷を持つために結婚するようだ。>
なぜ朝鮮男性は仕事をせず怠惰なのか。
著者の観察が鋭い。
<男性は仕事をする必要を感じない。欲が少ないからである。家は自ら作り、生活の道具は単純である。妻が菜園を育て、タバコや少しの肉を買うためにお金が必要な場合、日雇いをしたり、妻を働きに出す。仕事をしたくない理由は、『生計維持費よりも多くのお金を稼ぐと、官吏に奪われるから』である。>
著者はこのような搾取型の官吏が朝鮮の没落と、ここに蔓延する悲惨の最も主要な原因であると強調した。
官吏の貪欲は利益獲得と所有に対する人々の欲求や労働意欲、そしてすべての産業の可能性を窒息させたのである。
おそらくソウルより仕事をしない都市はないと言った。
<インド、中国、日本を旅行すると、商人たちが集まってきて物を売ろうとするが、ソウルではむしろ商人たちを呼んでもらう必要がある。物も貧弱きわまりない。物を作っても買う人がいないからだろう。だから技術者は仕事を入手できないのである。>
趙甲濟
日本が学んだ朝鮮🤔
趙甲濟
本間九介という日本人が韓国を旅行した「朝鮮雑記」の副題は、「日本人が見た1894年の李氏朝鮮」である。
朝鮮インたちは貧しくて汚くて腐敗していて卑怯で怠惰な人々として描かれている。
西洋人は朝鮮インの民族性ではなく、朝鮮と政治制度の問題を本質的な原因として見たが、本間はそのような構造解析は弱い。
彼は旅行中に体験した事実を中心に紹介している。
1、「残飯を欲しがる」という小見出しの記事では、宿主が食べ物の準備をして、本間が食べようとしたときに起きた騒動を紹介している。
本間がスプーンを持った瞬間に、隣人が旅館に入ってきた。
宿屋の主人が詰問した。
隣人は、「私は日本人がどのようにして食べるのかを見ようとしたのである。怒るな」と言う。
宿屋の主人は「お前がこのタイミングでやってきたのは、お客さんの食べ残しを食べようとしたからではないか。珍客が残した食べ物を、どうしてお前なんかに与えるものか」と叫ぶ。
隣人は「疑うなら帰る」といって去る。
本間は、隣人を人間扱いしない主人に怒ったが、じっくり考えてみると、実際に残飯を待っていたのは宿屋の主人ではないかという気がしたという。
<衣食足りて礼節を知るという。だからこの国にこのような習俗があるというのは不思議なことではない。>
2、「官吏はすべて泥棒だ」という小見出しの文は、民を搾取する腐敗した官吏の話である。ある外国人が朝鮮インに言った言葉を引用した。
「あなたの国の官吏は勝手に民の財産を奪う。公盗である。公的な人間が民を苦しめる。私盗よりも悪質である。なぜあんな泥棒を殺して国を正すという考えを持たないのだろう?」
子々孫々、遺伝子からその運命を受け入れているのである。自暴自棄!
3、本間は「朝鮮は腐った卵のようだ。孵化する力がない」とした。
「腐った卵から孵化するか。自らの力で殻を破って出てきて鳴けるだろうか」と問う。
4、本間が慶尚道の陜川である家に滞在したときに目撃した官吏の横暴。
いきなり三、四人の官吏が現れ、家の主人を捕縛し、連れて行こうとした。
村の人々が集まって善処を訴えても見向きもしない。
この家の奥さんが2貫程度の小判の包みを持ってきて捧げた。
官吏は突然表情が柔らかくなり、主人を解放し、お金を貰って立ち去った。
何の罪を犯したのかと尋ねると、事情は簡単だった。
郡守が近くを通過したとき、この家の主人がキセルを口にくわえていたのが不敬罪として捕まえられたのだった。
5、この国の中流以上の妻でも、重病にかかっても、医師の診断を受けることができない。
せいぜい手を出して脈拍をはかる程度である。
この国の婦女子は重病にかかっても医師からきちんとした治療も受けられずに死ぬ運命だ。
6、この国の武芸は弓術だけだ。
7、朝鮮の山々は裸だ。
木がないので小さな干ばつでも水がなくて農業が壊れる。
収穫が困難になると、親は子供を金持ちや中国人に売って穀物を買っている。
8、朝鮮での喧嘩は激しい口喧嘩から始まり、汚らしく胸ぐらや髪の毛をつかみ合って終わる。朝鮮には決闘文化がない。
9、朝鮮は汚い。
魚や野菜は腐っていて、調理している場面を見ると、かなりの豪傑でもスプーンを持ち上げることができなくなるだろう。
10、道が狭い。
釜山からソウルまで、大路という道ですら、一人がやっと通れるほどである。
新羅時代には一般人も牛車を利用するほど道路が整備されていたというのに、朝鮮はなぜこうなったのか?
ソウルから北に行くと道が広くなるが、これは中国の使臣のためだろうか?
11、ここの役人、すなわち武官は、武芸も知らず戦法も知らない。
彼らは兵士を率いて祖国を守るという考えすらない。`
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ある企業がギフトとしてくれた本「朝鮮、1894年の夏」を読んだ。
「本と共に」という出版社から出た本で、オーストリア人旅行者のヘッセ=ヴァルテッグの朝鮮旅行記である。テョンヒョンギュ翻訳。
釜山、済物浦、ソウルについての生々しい描写があって一気に読んだ。
日清戦争のころの朝鮮と朝鮮インたちの話だ。
私たちの先祖が開花期の入り口にこのように住んでいたんだという実感がわく。
本を読み終えるとこのようなイメージが残る。
貧しくて汚い。男は仕事をしない。賭けごとに熱心だ。仕事は女性がしている。彼女たちはあまりにも犠牲的で勤勉である。官吏が腐敗しており、搾取だけしているので働く動機が生まれない。人々の体格はよく、持って生まれた健康体質である。本性が良いので良い政府なら短期間で成長する。
著者は日本から船に乗って釜山港に入ってくるときの感じをこう書いた。
<朝鮮の殺伐とした岩海岸が正面から私たちを睨んでいる。
見ていると、最悪の野蛮国家という評判を受けている半島国家に対する驚愕と、日本と朝鮮の間にあった残酷な戦争と、前の数世紀間の流血の戦いと、そして朝鮮の支配者がわずか10年余り前にカトリック信者を殺害した血の海を思い出した。
海の真ん中にそびえる5つの石を指している船長の手振りが私を思いから目覚めさせた。
その横を過ぎながら、私たちは遠くから日本人居住地の白い家を見て、すぐにそこに停泊した。>
著者は農村ではなく釜山、ソウル、済物浦などの都市だけみたので失業状態に驚愕する。
<かれらが絶対しないことが一つある。まさに仕事である。おそらく死んでしまったこの国には仕事がないからだろう。仕事をする機会が多い港の朝鮮インは勤勉で忍耐がある。中国人のように忍耐力があって満州人のように力がある。女性が働く町はきれいである。女性は感動的な勤勉と感嘆に値する忍耐力でその義務を果たす。>
日本人に対する好評価が対照的である。
<日本は済物浦を占領し、すでに首都まで占領した。それでも日本軍は朝鮮インより振る舞いがよい。彼らはすべての商品を現金で購入し、礼儀正しく行動し、酒に酔ったりせず、規律がある。日本の将校たちは礼儀正しくて教養がある。>
バルテックはソウルのみずぼらしさに驚く。
<ソウルはおそらくホテルや喫茶店、その他欧州旅行者のための宿泊施設を見ることができない地球上で唯一の首都であり、王の居住地である。
今まで私が見てきた都市の中でも、ソウルは確実に最も奇妙な都市だ。
25万人ほどが居住する大都市なのに、5万軒の家がわらぶき屋根の土作りの家だなんて、他のどこにあるか?
最大の道路は下水が流れ込んで溝になってしまっている都市、
産業も、煙突も、窓ガラスも、階段もない都市、
劇場もコーヒーショップも喫茶店も公園も庭園も理髪店もない都市、
家には家具やベッドもなく、便所は直接道にしている。
男女を問わず、すべての住民が白い服を着ているのに、他のどの国よりも汚い糞尿の都市、
宗教も街灯も上水道も馬車も報道もない。
こんな国が他にあるのか?>
それでもソウルは決して健康に有害な場所ではないと指摘する。
冬の酷寒と夏のにわか雨が伝染病を防いで汚物を洗い流していくからだという。
彼は男の怠惰と女の勤勉さを複数回対照させる。
<私は男が働いている姿を一度も見なかった。
彼らは家の中や家の前にしゃがんで座り、小さな中国パイプを口にくわえてのんびりしたり、一団となって集まって遊んだり、寝ていた。
一方で、小さくて苦労のために痩せた女性は家事を引き受け、調理し、洗濯をしていた。
すべての労働は女性の仕事だ。
まさにこの国は女性を尊重していない民族で、女性を尊重していない民族は文化水準が低いという事実が証明されている。
朝鮮の女性たちは、荷台の動物以下の存在である。
男性は奴隷を持つために結婚するようだ。>
なぜ朝鮮男性は仕事をせず怠惰なのか。
著者の観察が鋭い。
<男性は仕事をする必要を感じない。欲が少ないからである。家は自ら作り、生活の道具は単純である。妻が菜園を育て、タバコや少しの肉を買うためにお金が必要な場合、日雇いをしたり、妻を働きに出す。仕事をしたくない理由は、『生計維持費よりも多くのお金を稼ぐと、官吏に奪われるから』である。>
著者はこのような搾取型の官吏が朝鮮の没落と、ここに蔓延する悲惨の最も主要な原因であると強調した。
官吏の貪欲は利益獲得と所有に対する人々の欲求や労働意欲、そしてすべての産業の可能性を窒息させたのである。
おそらくソウルより仕事をしない都市はないと言った。
<インド、中国、日本を旅行すると、商人たちが集まってきて物を売ろうとするが、ソウルではむしろ商人たちを呼んでもらう必要がある。物も貧弱きわまりない。物を作っても買う人がいないからだろう。だから技術者は仕事を入手できないのである。>
日本人が見た1894年の朝鮮インの悲惨な生活
趙甲濟
本間九介という日本人が韓国を旅行した「朝鮮雑記」の副題は、「日本人が見た1894年の李氏朝鮮」である。
朝鮮インたちは貧しくて汚くて腐敗していて卑怯で怠惰な人々として描かれている。
同じ時期、朝鮮を旅行した西洋人たちが残した文と似ていて、否定的な観察が多い。
西洋人は朝鮮インの民族性ではなく、朝鮮と政治制度の問題を本質的な原因として見たが、本間はそのような構造解析は弱い。
彼は旅行中に体験した事実を中心に紹介している。
1、「残飯を欲しがる」という小見出しの記事では、宿主が食べ物の準備をして、本間が食べようとしたときに起きた騒動を紹介している。
本間がスプーンを持った瞬間に、隣人が旅館に入ってきた。
宿屋の主人が詰問した。
隣人は、「私は日本人がどのようにして食べるのかを見ようとしたのである。怒るな」と言う。
宿屋の主人は「お前がこのタイミングでやってきたのは、お客さんの食べ残しを食べようとしたからではないか。珍客が残した食べ物を、どうしてお前なんかに与えるものか」と叫ぶ。
隣人は「疑うなら帰る」といって去る。
本間は、隣人を人間扱いしない主人に怒ったが、じっくり考えてみると、実際に残飯を待っていたのは宿屋の主人ではないかという気がしたという。
<衣食足りて礼節を知るという。だからこの国にこのような習俗があるというのは不思議なことではない。>
2、「官吏はすべて泥棒だ」という小見出しの文は、民を搾取する腐敗した官吏の話である。ある外国人が朝鮮インに言った言葉を引用した。
「あなたの国の官吏は勝手に民の財産を奪う。公盗である。公的な人間が民を苦しめる。私盗よりも悪質である。なぜあんな泥棒を殺して国を正すという考えを持たないのだろう?」
本間は、朝鮮インが官吏の虐政にあまりにも長い間慣れて、何の問題意識すら感じていないと評した。
子々孫々、遺伝子からその運命を受け入れているのである。自暴自棄!
3、本間は「朝鮮は腐った卵のようだ。孵化する力がない」とした。
「腐った卵から孵化するか。自らの力で殻を破って出てきて鳴けるだろうか」と問う。
4、本間が慶尚道の陜川である家に滞在したときに目撃した官吏の横暴。
いきなり三、四人の官吏が現れ、家の主人を捕縛し、連れて行こうとした。
村の人々が集まって善処を訴えても見向きもしない。
この家の奥さんが2貫程度の小判の包みを持ってきて捧げた。
官吏は突然表情が柔らかくなり、主人を解放し、お金を貰って立ち去った。
何の罪を犯したのかと尋ねると、事情は簡単だった。
郡守が近くを通過したとき、この家の主人がキセルを口にくわえていたのが不敬罪として捕まえられたのだった。
5、この国の中流以上の妻でも、重病にかかっても、医師の診断を受けることができない。
せいぜい手を出して脈拍をはかる程度である。
この国の婦女子は重病にかかっても医師からきちんとした治療も受けられずに死ぬ運命だ。
6、この国の武芸は弓術だけだ。
7、朝鮮の山々は裸だ。
木がないので小さな干ばつでも水がなくて農業が壊れる。
収穫が困難になると、親は子供を金持ちや中国人に売って穀物を買っている。
8、朝鮮での喧嘩は激しい口喧嘩から始まり、汚らしく胸ぐらや髪の毛をつかみ合って終わる。朝鮮には決闘文化がない。
9、朝鮮は汚い。
魚や野菜は腐っていて、調理している場面を見ると、かなりの豪傑でもスプーンを持ち上げることができなくなるだろう。
10、道が狭い。
釜山からソウルまで、大路という道ですら、一人がやっと通れるほどである。
新羅時代には一般人も牛車を利用するほど道路が整備されていたというのに、朝鮮はなぜこうなったのか?
ソウルから北に行くと道が広くなるが、これは中国の使臣のためだろうか?
11、ここの役人、すなわち武官は、武芸も知らず戦法も知らない。
彼らは兵士を率いて祖国を守るという考えすらない。`
━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
ある企業がギフトとしてくれた本「朝鮮、1894年の夏」を読んだ。
「本と共に」という出版社から出た本で、オーストリア人旅行者のヘッセ=ヴァルテッグの朝鮮旅行記である。テョンヒョンギュ翻訳。
釜山、済物浦、ソウルについての生々しい描写があって一気に読んだ。
日清戦争のころの朝鮮と朝鮮インたちの話だ。
私たちの先祖が開花期の入り口にこのように住んでいたんだという実感がわく。
本を読み終えるとこのようなイメージが残る。
貧しくて汚い。男は仕事をしない。賭けごとに熱心だ。仕事は女性がしている。彼女たちはあまりにも犠牲的で勤勉である。官吏が腐敗しており、搾取だけしているので働く動機が生まれない。人々の体格はよく、持って生まれた健康体質である。本性が良いので良い政府なら短期間で成長する。
著者は日本から船に乗って釜山港に入ってくるときの感じをこう書いた。
<朝鮮の殺伐とした岩海岸が正面から私たちを睨んでいる。
見ていると、最悪の野蛮国家という評判を受けている半島国家に対する驚愕と、日本と朝鮮の間にあった残酷な戦争と、前の数世紀間の流血の戦いと、そして朝鮮の支配者がわずか10年余り前にカトリック信者を殺害した血の海を思い出した。
海の真ん中にそびえる5つの石を指している船長の手振りが私を思いから目覚めさせた。
その横を過ぎながら、私たちは遠くから日本人居住地の白い家を見て、すぐにそこに停泊した。>
著者は農村ではなく釜山、ソウル、済物浦などの都市だけみたので失業状態に驚愕する。
<かれらが絶対しないことが一つある。まさに仕事である。おそらく死んでしまったこの国には仕事がないからだろう。仕事をする機会が多い港の朝鮮インは勤勉で忍耐がある。中国人のように忍耐力があって満州人のように力がある。女性が働く町はきれいである。女性は感動的な勤勉と感嘆に値する忍耐力でその義務を果たす。>
日本人に対する好評価が対照的である。
<日本は済物浦を占領し、すでに首都まで占領した。それでも日本軍は朝鮮インより振る舞いがよい。彼らはすべての商品を現金で購入し、礼儀正しく行動し、酒に酔ったりせず、規律がある。日本の将校たちは礼儀正しくて教養がある。>
バルテックはソウルのみずぼらしさに驚く。
<ソウルはおそらくホテルや喫茶店、その他欧州旅行者のための宿泊施設を見ることができない地球上で唯一の首都であり、王の居住地である。
今まで私が見てきた都市の中でも、ソウルは確実に最も奇妙な都市だ。
25万人ほどが居住する大都市なのに、5万軒の家がわらぶき屋根の土作りの家だなんて、他のどこにあるか?
最大の道路は下水が流れ込んで溝になってしまっている都市、
産業も、煙突も、窓ガラスも、階段もない都市、
劇場もコーヒーショップも喫茶店も公園も庭園も理髪店もない都市、
家には家具やベッドもなく、便所は直接道にしている。
男女を問わず、すべての住民が白い服を着ているのに、他のどの国よりも汚い糞尿の都市、
宗教も街灯も上水道も馬車も報道もない。
こんな国が他にあるのか?>
それでもソウルは決して健康に有害な場所ではないと指摘する。
冬の酷寒と夏のにわか雨が伝染病を防いで汚物を洗い流していくからだという。
彼は男の怠惰と女の勤勉さを複数回対照させる。
<私は男が働いている姿を一度も見なかった。
彼らは家の中や家の前にしゃがんで座り、小さな中国パイプを口にくわえてのんびりしたり、一団となって集まって遊んだり、寝ていた。
一方で、小さくて苦労のために痩せた女性は家事を引き受け、調理し、洗濯をしていた。
すべての労働は女性の仕事だ。
まさにこの国は女性を尊重していない民族で、女性を尊重していない民族は文化水準が低いという事実が証明されている。
朝鮮の女性たちは、荷台の動物以下の存在である。
男性は奴隷を持つために結婚するようだ。>
なぜ朝鮮男性は仕事をせず怠惰なのか。
著者の観察が鋭い。
<男性は仕事をする必要を感じない。欲が少ないからである。家は自ら作り、生活の道具は単純である。妻が菜園を育て、タバコや少しの肉を買うためにお金が必要な場合、日雇いをしたり、妻を働きに出す。仕事をしたくない理由は、『生計維持費よりも多くのお金を稼ぐと、官吏に奪われるから』である。>
著者はこのような搾取型の官吏が朝鮮の没落と、ここに蔓延する悲惨の最も主要な原因であると強調した。
官吏の貪欲は利益獲得と所有に対する人々の欲求や労働意欲、そしてすべての産業の可能性を窒息させたのである。
おそらくソウルより仕事をしない都市はないと言った。
<インド、中国、日本を旅行すると、商人たちが集まってきて物を売ろうとするが、ソウルではむしろ商人たちを呼んでもらう必要がある。物も貧弱きわまりない。物を作っても買う人がいないからだろう。だから技術者は仕事を入手できないのである。>
趙甲濟