<FRB>利上げ0.25%「異常な7年間の終わり」
【ワシントン清水憲司】米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、2008年12月から7年間にわたって続けてきた事実上のゼロ金利政策を解除し、9年半 ぶりに利上げに踏み切ることを決定した。政策金利の誘導目標を0.25%引き上げる。世界を巻き込んだ金融危機の震源地となった米国が、日欧に先駆けて異 例の金融緩和策から脱却し、金融政策の正常化に乗り出す。
FRBの利上げは06年6月以来。「0~0.25%」としてきた政策金利のフェデラル・ファンド(FF)金利を、17日から「0.25~0.5%」に引き
上げる。イエレン議長は、金融政策を議論する連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で「政策金利をゼロ近くに保持した異常な7年間の終わりを示すも
のだ」と述べた。決定は全会一致だった。
FRBはこれまで、利上げの条件として、(1)雇用情勢のさらなる改善(2)物価上昇率の持ち直し--を掲げてきた。失業率は危機後、一時10%まで悪
化したが、今秋に5.0%まで改善し、雇用者数も増加が続く。FRBは雇用改善が続けば、賃金が上昇し、低迷している物価上昇率も目標の2%に向かうと判
断。イエレン氏は「金融政策を緩やかに変更しても、景気は拡大を続ける」と述べ、先行きに自信を示した。
市場の関心は、今後の利上げペースに集まっている。米国の景気回復のペースは緩やかで、過熱感は見られない。FOMCは年8回開かれるが、委員17人の
大勢が16年中の利上げを「2~4回」と見込み、最多は「4回」の7人だ。イエレン氏は「緩やかな利上げしか正当化されない」として慎重な政策運営を続け
ると強調。雇用や物価の情勢を見ながら、慎重に利上げを進める方針と見られる。
FRBの利上げは、世界経済をけん引する米経済の堅調さの表れと言える。米国の金利が上昇し、ドルが買われれば、相対的に自国通貨が安くなる日本や欧州は輸出増加が見込まれる。
ただ、前例のない大規模緩和だったため、正常化の過程では混乱も懸念される。景気下支えのため、FRBなど先進国の中央銀行は世界の市場に「緩和マ
ネー」をあふれさせてきた。とりわけ先進国の資金が向かったのは、成長が期待された新興国だ。FRBの金融引き締めを受けて、新興国への投資資金を引き揚
げる動きが加速すれば、世界経済を不安定にする恐れもある。中国経済の減速や資源価格の下落も加わり、ブラジルやロシアなどは既に不況に陥っている。
FRBの利上げペースが速まれば、緩和マネーの逆流が強まる。ドル高・新興国通貨安が加速すると、新興国がドル建てで借りている資金を自国通貨で換算した
場合の返済負担が重くなり、さらなる苦境に立たされる恐れがある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151217-00000015-mai-bus_all
決定ですね
<FRB>利上げ0.25%「異常な7年間の終わり」
【ワシントン清水憲司】米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、2008年12月から7年間にわたって続けてきた事実上のゼロ金利政策を解除し、9年半 ぶりに利上げに踏み切ることを決定した。政策金利の誘導目標を0.25%引き上げる。世界を巻き込んだ金融危機の震源地となった米国が、日欧に先駆けて異 例の金融緩和策から脱却し、金融政策の正常化に乗り出す。
FRBの利上げは06年6月以来。「0~0.25%」としてきた政策金利のフェデラル・ファンド(FF)金利を、17日から「0.25~0.5%」に引き
上げる。イエレン議長は、金融政策を議論する連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で「政策金利をゼロ近くに保持した異常な7年間の終わりを示すも
のだ」と述べた。決定は全会一致だった。
FRBはこれまで、利上げの条件として、(1)雇用情勢のさらなる改善(2)物価上昇率の持ち直し--を掲げてきた。失業率は危機後、一時10%まで悪
化したが、今秋に5.0%まで改善し、雇用者数も増加が続く。FRBは雇用改善が続けば、賃金が上昇し、低迷している物価上昇率も目標の2%に向かうと判
断。イエレン氏は「金融政策を緩やかに変更しても、景気は拡大を続ける」と述べ、先行きに自信を示した。
市場の関心は、今後の利上げペースに集まっている。米国の景気回復のペースは緩やかで、過熱感は見られない。FOMCは年8回開かれるが、委員17人の
大勢が16年中の利上げを「2~4回」と見込み、最多は「4回」の7人だ。イエレン氏は「緩やかな利上げしか正当化されない」として慎重な政策運営を続け
ると強調。雇用や物価の情勢を見ながら、慎重に利上げを進める方針と見られる。
FRBの利上げは、世界経済をけん引する米経済の堅調さの表れと言える。米国の金利が上昇し、ドルが買われれば、相対的に自国通貨が安くなる日本や欧州は輸出増加が見込まれる。
ただ、前例のない大規模緩和だったため、正常化の過程では混乱も懸念される。景気下支えのため、FRBなど先進国の中央銀行は世界の市場に「緩和マ
ネー」をあふれさせてきた。とりわけ先進国の資金が向かったのは、成長が期待された新興国だ。FRBの金融引き締めを受けて、新興国への投資資金を引き揚
げる動きが加速すれば、世界経済を不安定にする恐れもある。中国経済の減速や資源価格の下落も加わり、ブラジルやロシアなどは既に不況に陥っている。
FRBの利上げペースが速まれば、緩和マネーの逆流が強まる。ドル高・新興国通貨安が加速すると、新興国がドル建てで借りている資金を自国通貨で換算した
場合の返済負担が重くなり、さらなる苦境に立たされる恐れがある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151217-00000015-mai-bus_all
決定ですね