「F-35Aの調達は最小限に?」 「軍事研究」4月号に吉岡秀之・前航空自衛隊補給本部長・空将が「運命共同体!防衛省・自衛隊・防衛産業 F‐35Aの調達は最小限にせよ! 防衛産業を元気にする6つの処方箋」と題した論文を寄稿している。その中で吉岡空将は、「F‐35Aの導入は我が国の防空能力を格段に向上させる反面、導入機数の増加は航空防衛産業の足腰を弱体化する可能性が高いことから、同機の取得数は安全保障会議で決定されている42機とする」べきであると主張している。 吉岡空将は、F‐35A導入のデメリットについて次のように述べている。 「F‐35Aを例にとり、FMS(注:対外有償軍事援助〈注当ブログ〉)調達品が航空防衛産業とどのような関わり合いを持つかについて述べる。防衛省は同機を導入するに際し、F‐4やF‐15などと同様にライセンス国産することを米国に強く働きかけたようであるが、米国が折れず、FMSで調達することになった。また、我が国企業の製造参画については三菱重工、三菱電機及びIHIの三社のみが認められた。米国がかくも強硬なのは、同機が九か国による共同開発事業(米が主導)であるためと言われているが、本音は同機の高い技術を開示したくない意向と思われる。三菱重工は採算性の問題から製造への参画を留保している。FACOと呼ばれる最終組立では、三菱重工がロッキード・マーチンの下で機体の組立を行い、IHIがプラット&ホイットニーの下でエンジンの組立を行う。 防衛白書には、我が国企業がF‐35Aの製造等に参画することによって、新型戦闘機の高いノウハウや技術を習得できる等のメリットが強調されているが、実際はなかなか難しそうである。同機の維持整備はALGSという世界規模の後方支援システムを通じて実施される。ALGSは開発中のシステムであるため確たることは言えないが、後方支援センター(米国)と現地部隊が同システムを通じて直接情報交換し、故障部位の特定、原因の究明及び修理部品の選定等を行う模様である。修理部品は地域支援センターが在庫管理等し、現場部隊に出荷する。従来、航空自衛隊では補給本部や補給処が企業と連携して装備品の維持整備を行ってきたが、ALGSでは補給本部や補給処等の関与は極めて限定的となる。このように、F‐35Aは製造と維持整備の両面において航空防衛産業とはほとんど関係しない」。 三菱重工が製造への参画を留保していることを初めて知った。同社が製造に加わらないとなったら、一体どこが製造することになるのだろう。 F‐35Aの調達を42機に留めるとなると当面、F‐15Pre‐MSIP機の近代化改修で凌ぐことになるが、どれほどの能力向上が見込めるか不確かな上、費用対効果の面でも疑問がある。 確かに、F‐35Aの導入は我が国航空防衛産業にメリットは少ないかもしれないし、整備補給の面でも問題があるかもしれないが、戦闘機戦力を強化するためには致し方ないのではないか。 吉岡空将は、F‐35Aの調達は最小限にし、資源を将来戦闘機の開発に傾注すべきとの考えのようだ。「将来戦闘機(F‐の後継機)については、同機の開発遅延により、我が国の防空能力が低下しないように、研究開発を一層促進する。将来戦闘機は、米空軍の次期戦闘機の選択肢として考慮されるように、米空軍のF‐22戦闘機の後継機種として制空型の戦闘機を目指す」と書いている。 このままでは我が国の戦闘機開発能力が失われてしまうとの吉岡空将の危機感は良く分かる。また、厳しい財政状況を考慮すれば、F‐35Aの追加調達と将来戦闘機の開発を両立させるのは難しいというのも理解できる。 さはさりながら、喫緊の課題は戦闘機戦力の強化だ。早期に3個飛行隊分約70機(予備含む)のF‐35Aの追加調達を実施し、併せて将来戦闘機の開発も行うべきだ。そのために「防衛整備特別会計」を設け、毎年5000億円程度の予算を確保すべきだと考える。 |
http://hiroaki1959.at.webry.info/201503/article_12.html
대단히 논리적이고 설득력 있는.