旅の終わりは特に急がない列車で
鹿児島を訪れたときの旅行記の続きです。
東京が秋らしい季節を迎えていたころ、北海道は雪、九州は夏のような暑さでした。
さあ、東京に帰ろう。鹿児島空港は、霧島市にあり、県庁所在地である鹿児島市からは40kmも離れています。鹿児島空港連絡バスか自家用車・レンタカーでアクセスするのが、一般的です。
鹿児島空港連絡バスを運営する会社の一部は、経費削減のため安い韓国製のバスを導入しています。
往路で乗った南国交通が使用しているHINO「SEREGA」は、安全装備が標準搭載されていて乗っていて安心できるんですがね。いわさきグループが使用しているHYUNDAI「UNIVERSE」は安物だけあって、いろいろ心配です。
往路と同じ道を行くのも面白くないので、帰りは鉄道と路線バスで鹿児島空港を目指すことにします。鹿児島中央駅は、新幹線も乗り入れる九州有数の駅です。
今回は、新幹線ではなく在来線に乗ります。
コンコースに、屋久杉の断片が無造作に置かれていました。
汎用特急型787系電車とキハ200系気動車など、民営化後にJR九州が独自に導入した車両が沢山見られます。
そんな中で、今回乗車するのは、国鉄型気動車のキハ40系147形です。もともとは、ローカル線の普通列車に使用する車両です。
ATS-SK等を搭載しているとはいえ、古めかしい国鉄仕様の運転台ですね。
でも、安心してください。車内はJR九州の特急仕様に改造していますから。
ところで、この列車は特急ですが特に急ぎません。観光特急です。2両編成で、運転士が車掌を兼任するワンマン列車です(ただし、客室乗務員が乗務しています)。乗車時間の割に運賃が安く、のんびり走っているのが分かります。
鹿児島中央駅を出発すると、しばらく海沿いの日豊本線を走っていきます。
隼人駅を過ぎると肥薩線に入り、海から山間へ向かっていきます。
50分ほどで、嘉例川駅に到着です。列車は、このあと吉松駅まで行きますが、鹿児島空港に向かうためにはここで下車します。
嘉例川駅は、1903年1月15日に開業した駅です。駅舎は、築100年を超えています。
今でもタブレットに関連した機械が置かれています。
今は無人駅ですが、昔は有人駅でした。
なんだか、ほっとする駅です。
列車の本数は少ないですが、温泉宿から近いため、この駅を訪れる人もいます。
しばらくしてやってきた隼人・鹿児島中央方面に向かう普通列車は1両編成でした。特急列車でさえ2両編成なのですから、当然と言えば当然かもしれません。
明治時代から殆ど変わらない景色にうっとりしていたのもつかの間、0.6kmほど離れた嘉例川バス停まで歩き、そこから路線バスで空港に移動したのでした。
サクララウンジで一杯した後、東京へ戻ります。よくこんなところに空港を作ったもので。広島空港といい勝負だわ。