昨夜の完成披露プレミア試写会にて鑑賞してきました。

自分は熱狂的なＡＫＢ４８の大ファンです。
グッズを買いあさり、コンサートへも何回か足を運び、握手会の整理券が手に入ればメンバーの方と握手をしに行ったりしております。

ＡＫＢ４８にはアンチの方も多いということは知っております。
自分はアンチの方に対し、反感を抱いたりということはありません。
ＡＫＢ４８が好きな人もいれば、大嫌いという人もいる。
当然のことだと思います。
アンチの方の意見を見たり聞いたりしていると、そちらの意見の方が正しいと感じることもあります。

全作のドキュメンタリーを観たときも感じたのですが、“ＡＫＢ４８”とは「いったい何なのか？」
ファンを続けている自分もハッキリとしたものが掴めてはいない。
今回のドキュメンタリーを観て、その気持ちが更に強まったように思いました。

映画は震災直後の東北をメンバーの人たちが訪問する場面から始まります。
被災地の映像はニュースなどで観たことはあったのですが、大きなスクリーンに映し出されたその光景は「ここが日本なのか・・・？」と胸が締め付けられるものを感じました。
その被災地の子供たちを励ますメンバーの人たち。

映画は普段では決して観ることの出来ない舞台裏を映しております。
昨年７月に行われたＡＫＢ４８初のドーム公演。
極度の暑さと緊張から過呼吸になりダウンするセンターを務める前田敦子さんの姿。
ＡＫＢ４８史上最低のコンサートと言われた１日目の公演。
その後、秋元氏に「お前たちはこんなものなのか？」と言われ涙するメンバーたち。
そうした普段では観ることの出来ない裏の姿。
そこには“人間としてのＡＫＢ４８”の姿があったように感じました。

舞台挨拶で高橋みなみさんが「私たちも人間です」とおっしゃっておりました。
人間であるから嬉しいときに笑い、悲しいときに泣く。
しかし彼女たちが“ＡＫＢ４８”という「職業」を選んだからには、そうした人間の当たり前の部分を捨てなくてはなりません。
年ごろの女の子なら当たり前のように恋愛をする。
しかしＡＫＢ４８というアイドルの道を進まれるために、その当たり前のことすら出来ない。
人間である自分を殺し、ＡＫＢ４８という仮面を被る。
それは言葉は悪いですが人間では無く“商品”にならなくてはいけないのです。

自分の顔の写った写真を販売する。心では「嫌っ」と思っていても笑顔でＣＤを買ってくれたファンと握手しなくてはならない。
そうした“商品”になってしまっている自分たちと、本来人間であるべき彼女たちの心の葛藤をこの映画は伝えているように感じました。
人気者＝幸せ
と、言うわけでは無いです。
もがき苦しむ彼女たちの姿を観て、これから自分はファンとしてどう接していけばいいのだろうか？
とても考えさせられました。

ＡＫＢ４８の人気は今は絶頂期ですが、やがて無くなるという意見も多いです。
自分も正直、そのように思います。
いつか、この人気も下降線をたどっていってしまうでしょう。
そうなったとき、彼女たちは、ファンは、どういった道を進まなくてはならないのか？
こちらも、とても考えさせられた部分でした。

ＡＫＢ４８のファンの方は「お薦めです」と言わなくても間違いなく映画館へ足を運んでくれると思います。
自分は出来たらアンチの方たちにぜひ観ていただきたいと思っております。
それは「この映画を観て、ＡＫＢ４８を好きになってください」と言う意味ではありません。
アンチの方がＡＫＢ４８が嫌いな部分。それは人それぞれだと思います。
その嫌いな部分をより深く追求していってもらえたら・・・そんな風に考えております。
この映画を観て、更にＡＫＢ４８が嫌いになっても構わないと思っております。
ファンでも知らない彼女たちの一面を映した作品です。
当然アンチの方も知らない部分です。
ありのままのＡＫＢ４８の姿。
そこを観て、何か感じ取ってもらえたら嬉しく思います。
この映画は決してＡＫＢ４８を美化した作品にはなっていないと思います。

一番この映画をご覧になるのが難しいのがＡＫＢ４８にまったく関心無い、興味無いと言う人たちですね。
もちろん、そう言った人たちがこの映画を観てＡＫＢ４８に興味を持っていただけたらファンの一人として、とても嬉しいのですが、自分の意見を押し付けるのは好きでは無いので無理をしてまで映画館に足を運ぶ必要は無いと思います。