2018.1.25 12:00更新
【関西の議論】
「リズム天国パーフェクト」全盲のドラマー少年からの手紙 任天堂の“神対応”に称賛の声
自宅でドラムの演奏を披露する全盲のドラマー少年、酒井響希君。ドラムで鍛えたリズム感で「リズム天国」シリーズをパーフェクトでクリアした=大阪府東大阪市
「#任天堂を許すな」。ツイッターでこんなハッシュタグ(検索目印)を付けた書き込みが注目を集めている。文字通りの批判もあるにはあるが、むしろ「任天堂、まじヒドイ!子供が頑張って発送したからって修理代0円にしやがって」と、逆説的な表現で同社への感謝の思いをつづった内容が目立つ。ネット上で特に称賛されているのはその顧客対応だ。なかでも11歳のドラマー、酒井響希(ひびき)君と同社の交流エピソードは、ツイッターで発信されると瞬く間に拡散され、有名になった。全盲の彼に、ゲームの楽しさを教えた任天堂を許すな-。(小川原咲)
ゲームとの出会い
《 任天堂さんへ!!
はじめまして。僕は小学5年の酒井響希です。僕は目が見えないけど僕も皆と同じようにゲームがしたいとずっと思っていました。でも僕ができるゲームはほとんどありませんでした。その中で、僕が唯一できたゲームがリズム天国です》
響希君がこんな手紙を書いたのは昨年5月のことだった。
1歳のときに目にできるがん「網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ)」を発症。2歳で両目を摘出した。光を失った代わりに、音の違いに楽しみを見いだした。そして3歳のときに父の健太郎さん(40)が「生涯の親友」と呼ぶドラムと出会った。
そんな響希君がのめり込んだ「リズム天国」とは、流れる音楽に合わせてタイミングよくボタンを押すゲーム。シリーズ1作目は平成18(2006)年に任天堂のゲーム機・ゲームボーイアドバンス向けのソフトとして発売された。以降、ニンテンドーDS用の「リズム天国ゴールド」、Wii用の「みんなのリズム天国」、ニンテンドー3DS用の「リズム天国ザ・ベスト+」の計4作品が発表されている。
母の康子さん(40)によると、響希君が初めて手に取ったのは小学1年のころ。長女(12)がほしがっていたリズム天国ザ・ベストを購入したところ、響希君も興味を持ち、家族に教えてもらいながらやり始めた。すると、ドラムで鍛えた抜群のリズム感のおかげで、画面が見えないにも関わらず、家族のだれより上手にプレーした。
康子さんは「おもちゃは手で触れられるものに限られてきたが、リズム天国は違った」と話す。その後さかのぼって1~3作目も買い、毎日やりこんだ。そして全4作品を完璧にクリアできるまで上達した。
まさかの返信
「新作はいつ出るの?」
響希君は康子さんに繰り返し尋ねた。「お母さんには分からへんよ」と答えつつ、提案した。「自分で任天堂に手紙出して聞いてみたら」。響希君は点字の手紙を書いた。康子さんはそれを文字に翻訳した便箋を添えた。
《そのゲームだけは皆と一緒に楽しくできるし、このゲームは誰にも負けませんでした。ゲームボーイアドバンス版もDS版もWii版も3DS版もすべてパーフェクトをとる事ができました。なのでこれからもリズム天国を絶対に絶対に出して欲しいです。もう少し難しくても大丈夫です!!》
「気休めになればと思っていたので、返事は期待していなかった」と康子さん。ところが1週間ほどで《酒井響希様 任天堂株式会社》と書かれた返信が届いたのだ。
《この度は、任天堂あてに温かいお手紙を送っていただき、ありがとうございます。「リズム天国」「リズム天国ゴールド」「みんなのリズム天国」「リズム天国ザ・ベスト+」の全てでパーフェクトを取ることができたと、響希君がこのシリーズを楽しんでくれたことが伝わり、とても嬉しく思います。響希君から頂いたお手紙の内容は任天堂の開発部門へ報告いたします。これからも、みなさまに喜んでいただけるゲームを作っていきたいと思いますので、応えんよろしくおねがいいたします》
響希君は「まさか返事がくるとは思わなかったのでうれしかった」と振り返る。感動した健太郎さんはこのやりとりをツイッターに投稿。「まさに神対応です。新作をお待ちしてます」とつづった。
この書き込みはすぐにネット上で話題になり、「さすが任天堂」「新作を作ってくれ」「勇気をもらった」と賛辞が相次いだ。
さらにリズム天国全シリーズの楽曲を監修した音楽プロデューサー、つんく♂さんも反応。健太郎さんの投稿に触れ、「泣きそうになった。てか、泣いた。ありがとう。そしてこれからもよろしくです」とツイートした。そして響希君に呼びかけた。「響希君が楽しんでくれたのはとても嬉しく思います。また新しい出会いがあると良いですね」
夢は続く
2歳で全盲となり、泣いてばかりの日々だったという響希君。飲み物を混ぜる棒で壁や柱をたたき、音の楽しさを知った。3歳のころに、近所の知人宅でドラムをたたかせてもらったことがきっかけで、4歳のころからドラム教室に通い始めた。
ドラム歴は約7年。毎日の練習は欠かさない。スティックを握りながら時折、指でドラムに触れて位置を確認しながらたたく。夢は「世界を飛び回って、人に勇気を与えられるプロドラマーになる」こと。そんな響希君と音楽の歩みに、リズム天国というゲームの存在も少なからぬ影響を与えたのだ。
《僕以外にもゲームがしたくてもできない視覚障害の子がきっといると思います。だから体にハンデがあっても皆と一緒に楽しめるゲームを是非開発して欲しいです。これからも任天堂さんを応援します。酒井響希より》
任天堂広報室によると、ゲームの感想を記した手紙やメールは世界中の子供たちから届き、そのすべてに目を通しているという。リズム天国の新作については「現段階では申し上げることはない」とのことだが、子供に夢を与えるようなゲーム開発はこれからも続くだろう。
以下は「#任天堂を許すな」の一例。
「マリオブラザーズ…
ぶっきらぼうな職人の親父とケンカしたあとには必ず親父が『あとでマリオで協力プレーするぞ!』っと言って親子仲直りするのが我が家のテンプレート…
親父は死んだが今、不器用な親父の愛情を思い出したら泣けてきた…
絶対許さん!!
任天堂よありがとう!」
http://www.sankei.com/west/news/180125/wst1801250001-n1.html
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( ´;ω;)ウッ
2018.1.25 12:00更新
【関西の議論】
「リズム天国パーフェクト」全盲のドラマー少年からの手紙 任天堂の“神対応”に称賛の声
自宅でドラムの演奏を披露する全盲のドラマー少年、酒井響希君。ドラムで鍛えたリズム感で「リズム天国」シリーズをパーフェクトでクリアした=大阪府東大阪市
「#任天堂を許すな」。ツイッターでこんなハッシュタグ(検索目印)を付けた書き込みが注目を集めている。文字通りの批判もあるにはあるが、むしろ「任天堂、まじヒドイ!子供が頑張って発送したからって修理代0円にしやがって」と、逆説的な表現で同社への感謝の思いをつづった内容が目立つ。ネット上で特に称賛されているのはその顧客対応だ。なかでも11歳のドラマー、酒井響希(ひびき)君と同社の交流エピソードは、ツイッターで発信されると瞬く間に拡散され、有名になった。全盲の彼に、ゲームの楽しさを教えた任天堂を許すな-。(小川原咲)
ゲームとの出会い
《 任天堂さんへ!!
はじめまして。僕は小学5年の酒井響希です。僕は目が見えないけど僕も皆と同じようにゲームがしたいとずっと思っていました。でも僕ができるゲームはほとんどありませんでした。その中で、僕が唯一できたゲームがリズム天国です》
響希君がこんな手紙を書いたのは昨年5月のことだった。
1歳のときに目にできるがん「網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ)」を発症。2歳で両目を摘出した。光を失った代わりに、音の違いに楽しみを見いだした。そして3歳のときに父の健太郎さん(40)が「生涯の親友」と呼ぶドラムと出会った。
そんな響希君がのめり込んだ「リズム天国」とは、流れる音楽に合わせてタイミングよくボタンを押すゲーム。シリーズ1作目は平成18(2006)年に任天堂のゲーム機・ゲームボーイアドバンス向けのソフトとして発売された。以降、ニンテンドーDS用の「リズム天国ゴールド」、Wii用の「みんなのリズム天国」、ニンテンドー3DS用の「リズム天国ザ・ベスト+」の計4作品が発表されている。
母の康子さん(40)によると、響希君が初めて手に取ったのは小学1年のころ。長女(12)がほしがっていたリズム天国ザ・ベストを購入したところ、響希君も興味を持ち、家族に教えてもらいながらやり始めた。すると、ドラムで鍛えた抜群のリズム感のおかげで、画面が見えないにも関わらず、家族のだれより上手にプレーした。
<iframe src="//www.youtube.com/embed/Fwi8XYKyW4k" class="note-video-clip" width="640" height="360" frameborder="0"></iframe>
康子さんは「おもちゃは手で触れられるものに限られてきたが、リズム天国は違った」と話す。その後さかのぼって1~3作目も買い、毎日やりこんだ。そして全4作品を完璧にクリアできるまで上達した。
まさかの返信
「新作はいつ出るの?」
響希君は康子さんに繰り返し尋ねた。「お母さんには分からへんよ」と答えつつ、提案した。「自分で任天堂に手紙出して聞いてみたら」。響希君は点字の手紙を書いた。康子さんはそれを文字に翻訳した便箋を添えた。
《そのゲームだけは皆と一緒に楽しくできるし、このゲームは誰にも負けませんでした。ゲームボーイアドバンス版もDS版もWii版も3DS版もすべてパーフェクトをとる事ができました。なのでこれからもリズム天国を絶対に絶対に出して欲しいです。もう少し難しくても大丈夫です!!》
「気休めになればと思っていたので、返事は期待していなかった」と康子さん。ところが1週間ほどで《酒井響希様 任天堂株式会社》と書かれた返信が届いたのだ。
《この度は、任天堂あてに温かいお手紙を送っていただき、ありがとうございます。「リズム天国」「リズム天国ゴールド」「みんなのリズム天国」「リズム天国ザ・ベスト+」の全てでパーフェクトを取ることができたと、響希君がこのシリーズを楽しんでくれたことが伝わり、とても嬉しく思います。響希君から頂いたお手紙の内容は任天堂の開発部門へ報告いたします。これからも、みなさまに喜んでいただけるゲームを作っていきたいと思いますので、応えんよろしくおねがいいたします》
響希君は「まさか返事がくるとは思わなかったのでうれしかった」と振り返る。感動した健太郎さんはこのやりとりをツイッターに投稿。「まさに神対応です。新作をお待ちしてます」とつづった。
この書き込みはすぐにネット上で話題になり、「さすが任天堂」「新作を作ってくれ」「勇気をもらった」と賛辞が相次いだ。
さらにリズム天国全シリーズの楽曲を監修した音楽プロデューサー、つんく♂さんも反応。健太郎さんの投稿に触れ、「泣きそうになった。てか、泣いた。ありがとう。そしてこれからもよろしくです」とツイートした。そして響希君に呼びかけた。「響希君が楽しんでくれたのはとても嬉しく思います。また新しい出会いがあると良いですね」
夢は続く
2歳で全盲となり、泣いてばかりの日々だったという響希君。飲み物を混ぜる棒で壁や柱をたたき、音の楽しさを知った。3歳のころに、近所の知人宅でドラムをたたかせてもらったことがきっかけで、4歳のころからドラム教室に通い始めた。
ドラム歴は約7年。毎日の練習は欠かさない。スティックを握りながら時折、指でドラムに触れて位置を確認しながらたたく。夢は「世界を飛び回って、人に勇気を与えられるプロドラマーになる」こと。そんな響希君と音楽の歩みに、リズム天国というゲームの存在も少なからぬ影響を与えたのだ。
《僕以外にもゲームがしたくてもできない視覚障害の子がきっといると思います。だから体にハンデがあっても皆と一緒に楽しめるゲームを是非開発して欲しいです。これからも任天堂さんを応援します。酒井響希より》
任天堂広報室によると、ゲームの感想を記した手紙やメールは世界中の子供たちから届き、そのすべてに目を通しているという。リズム天国の新作については「現段階では申し上げることはない」とのことだが、子供に夢を与えるようなゲーム開発はこれからも続くだろう。
以下は「#任天堂を許すな」の一例。
「マリオブラザーズ…
ぶっきらぼうな職人の親父とケンカしたあとには必ず親父が『あとでマリオで協力プレーするぞ!』っと言って親子仲直りするのが我が家のテンプレート…
親父は死んだが今、不器用な親父の愛情を思い出したら泣けてきた…
絶対許さん!!
任天堂よありがとう!」
http://www.sankei.com/west/news/180125/wst1801250001-n1.html
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