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【臨時政府】今週の書評評【韓国人の力】

大韓民国臨時政府26年間の苦闘に迫る
【新刊】キム・ヒゴン他著『きちんと見る大韓民国臨時政府』(知識産業社)
 「内では近代化を、外では自主独立国家を目指して進んだ点から、大韓民国臨時政府は世界のあらゆる植民地解放運動と比べてみても抜きん出た存在であることは間違いない。」
 本書は、3・1独立運動を踏み台として誕生した大韓民国臨時政府が解放を迎えるまでの26年間、あらゆる逆境と戦い血の汗を流した奮闘を記録した。キム・ヒゴン、ハン・サンド、ハン・シジュン、コ・ジョンヒュ、パン・ビョンリュル、イ・ヒョンジュ、チャン・ソ¥クフン、チェ・ギヨン、孫科志教授ら韓国内外の代表¥的独立運動研究者9人は、臨時政府の全貌を時代別に一目瞭然に描き出した。光復(日本の植民地支配からの解放)60周年の2005年、5カ月に渡り本紙に連載された「実録 大韓民国臨時政府」を、臨時政府樹立90周年に合わせて補完・出版した。
 臨時政府は、専制君主や立憲君主を否定し、民主・民本・民権を追及する民主共和制を基本理念とした近代政府だった。当初から臨時議政院という代議機関を置き、権力の分散と牽制という民主政治の基本原理を実践しようとした。
 しかし、臨時政府の26年は放浪と定着の26年だった。臨時政府は、1932年の尹奉吉(ユン・ボンギル)義士の義挙直後、日本の弾圧により過去 13年間根拠地としていた上海を離れざるを得なくなった。杭州・鎮江・長沙・広州・柳州・綦江を経て重慶に落ち着くまで臨時政府が歩んだ道は、中国共産党の「長征」をも凌駕する苦難の行軍だった。しかしこの期間は、臨時政府が中国との連帯を強化し、左右合作の道を模索し、独立運動の政治的・軍事的理念を整えていく「訓練の場」でもあった。
 本書は、臨時政府について、「政府」という文字が消えかねないほどお粗末だった時期もあったことを認める。それでも臨時政府は「26年に渡り粘り強く持ちこたえ、独立運動勢力の統合を推進し、ついには1942年に重慶で左右統合政府を樹立した」という点を強調する。
 臨時政府の要人が、いずれも解放の感激を覚え、故国に帰ることができたわけではない。李東寧(イ・ドンニョン)国務委員会主席、車利錫(チャ・リソ¥ク)秘書長、宋秉¥祚(ソ¥ン・ビョンジョ)臨時議政院議長といった数十¥年間異国の地で風雪に耐え独立を念願してきた人々が、解放と帰国を見ることなく世を去った。白凡・金九(キム・グ)も、母と長男を失った。
 本書は、「臨時政府は、世界の植民地解放運動の歴史に、政府組織として26年に渡り植民地解放運動を繰り広げた唯一の事例を残した」と高く評価する。列強勢力がカイロ宣言で唯一韓国だけ独立を保障したのは、このためだったというわけだ。インドの民族運動指導者ネルーは、「アジアの植民地国家の中で、列強から独立を保障された国はただ韓国のみ」とうらやましがったという。
キム・ギチョル記者

 

絶望を希望に変える韓国人の「情」とは
【新刊】イ・ギュテ著『韓国人の力(全2巻)』(シンウォン文化社)
「韓国人には、世界が注目するに値する肯定的な意識構¥造が多い。他人に配慮する温かい情、外部勢力に屈服しなかった誇り高いソ¥ンビ(学者)の精神、粘りある度胸、そして無限の潜在意識がそれだ」
 1983年から実に23年間に渡って本紙に「イ・ギュテ・コーナー」を連載し続け、韓国人が何者なのかを知らせてきた故イ・ギュテ氏(1933−2006)が1970年代に出した『韓国人の意識構¥造』から、「絶望を希望に変える韓国人の力」に関する部分を抜き出し再編した。毎朝新聞を開き、「イ・ギュテ・コーナー」を読ことで一日の生活を始めた読者であれば、簡潔でありつつも加減の良い文章に改めて喜びを感じることだろう。
 著者は、まるで鏡に映して見たかのように、わたしたち自身も知らなかった韓国人の内面を明快な言葉で整理した。出発する汽車にとj区別な感情を抱き、こみ上げる涙が流れ出ないようこらえ、バラの花の美しさより梅の花や竹の格調と節度に感嘆を覚える韓国人の情緒は、「情」という一単語に集約される。
 わたしたちの先祖の幸福観を「不幸でなければ幸福だ」と定義する場面では、頷くことになる。「“九合では足りず、十¥号では余る”ということわざがあり、“酒は半酔、花は半開、福は半福”ともいった。わたしたちは、幸福な状態を虚無で危険だとみなす反面、不幸に耐えていくことを美徳とした。」(1巻 72ページ)
 玄琴の魅力を「むせび泣く声の美学」だと描写した場面では、膝を打つことになる。「バイオリンやチェロは音さえ出せばそれでいいが、玄琴や伽耶琴は音と音の間に、音にならない音を出さなければならない。物理的な音が消えても余韻が残り、それに触れることで催す心情的な音! その物理音の間欠性ゆえに、人がむせび泣く声のように聞こえる。」(2巻185ページ)
 中でも著者は、韓国人の意識の中に隠れている「集団の同一化」に注目している。韓国人は、自分たちの社会、祖国、さらには自分たちの民族が集団的に困難に行き当たると、これを自らの運命として受け入れ勝ち抜いていく驚くべき力がある、というわけだ。ここにおいて能¥率は極大化し、集団の風が成立する。
ホ・ユンヒ記者

 

【つっこみ】

まあ、原本読んだわけじゃないんで、全面否定は流石にしないけど、とりあえず記事の着色部分を読むかぎり、「ウリナラマンセー」しか感じられない。

アジアの植民地国家の中で、列強から独立を保障された国はただ韓国のみ

くだりは、「列強に保障してもらわないと、独立すらできないんじゃねーの?」って皮肉のような気がするのは、気のせいだろうか。

※今週は、他にも結構¥書評あったけど、マンセー色の濃い2個をピックアップしました。



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