今年１月の輸出実績が１５カ月間続いてきた増加傾向（前年比）を止め、減少に転じた。韓国政府は、ソル（旧正月）連休による操業日数の減少（２４→２０日）による短期的な数値減少だと説明した。内需低迷が長くなり、建設・投資が萎縮した中で「経済の支え」の役割をしてきた輸出が揺らいでいる。

２日、産業通商資源部（産資部）によると、先月の輸出は４９１億２０００万ドル（約７兆６２３９億円）で、前年同月比１０．３％減少した。前年同月比増加率は２０２３年１０月以降１５カ月連続で増加したが、先月このような流れが止まったのだ。これを受け、２０２３年６月以降、１９カ月連続で黒字を記録していた貿易収支も先月、赤字転換（－１８億９０００万ドル）した。

最大輸出品目の半導体輸出額は１０１億３０００万ドル（８．１％）だった。１５カ月連続のプラスと９カ月連続の輸出額１００億ドル突破の流れが続いた。一方、操業日の減少で自動車（－１９．６％）・自動車部品（－１－１７．２％）の輸出は減少した。石油製品も２９．８％減少した。市場価格が下落したうえ、主要業者の生産施設火災で輸出物量生産にも一部支障が発生した余波だ。

産業部は「輸出動力が折れたわけではない」という立場だ。旧正月の連休を勘案した先月の一日平均輸出額は２４億６０００万ドルで、前年同期比７．７％増加した。問題はこれからだ。▼トランプ氏の保護貿易強化▼これによる相手国の報復対応▼ディープシーク・ショック▼ウォン安ドル高の長期化などが変数だ。 （中略）

先月の半導体輸出は善戦した。汎用メモリー価格が下落傾向を続けているが、グローバルデータセンター投資拡大によりＡＩなどサーバーに使われるＨＢＭ・ＤＤＲ５など高付加価値メモリー輸出が増えた影響だ。しかし、高付加価値メモリーがなくても性能を認められたディープシークの登場で、韓国の輸出主力品目の需要減少が懸念される。
（引用ここまで）

　現状、メモリー価格は下落を続けています。
　2023年の10〜11月くらいから上昇を続けていたものが、24年9月に下落に転じて先月の平均価格も下落でした。
　ただ、需要自体はそこまで落ちこんでいなく、 かつAIプロセッサ用のHBMは引き合いが大きいのでまだなんとかなっている模様。

　それ以外の自動車、自動車部品などが旧正月が2月から1月になったために休業で輸出が減ったとされています。
　自動車工場といえどもさすがに旧正月は操業しないか。
　まあ、旧正月は日本の年末年始とほぼ同じなのでしかたない。

　ただ、操業日が24日→20日と16.6％減なのに、それ以上の輸出額減少になっているのは注目点かもしれないですね。


　輸出はメモリ価格の下落とディープシークショックで未来が見えていない。
　いま輸出関連で余裕があるのって船舶くらいかな。
　石油化学はもうどうしようもないレベルで追いこまれていますし、鉄鋼も中国のやけくそ輸出でがんがん単価が下がっています。

　 　内需は建設業、不動産業の低迷で目も当てられず。
　バブルが破裂するのかと思いきや。
　値が下がる……というか取引総量が減少する事態になっています。

　ソウルのマンションはいまのところ高値安定しているのですが、地方が以前にも増してやばい。
　そのやばさが首都圏に進出してきつつある。
　バブル破裂ならまだいっそ対応のしようもあるのですが、このじわじわとした不況はボディブローのように効いてしまう。

　ちょっと前の「貯蓄率が上昇している」ってところで「不動産のローン元本を返すのは貯蓄として扱われる」ってエントリに「中古不動産が残るだけでは」と疑問を呈しているコメントも少なくなったのですが。
　韓国では「中古不動産でも値が上がる」のが常識だったのですよ。
　少なくともこれまでは。
　内需がこの体たらくなので、輸出までしおれると本当にやばい。

　記事にあるように「輸出がどうなるかは2月以降の数字が肝心」とありますが、旧正月が2月から1月に移っているので「2月の輸出が増える」ことは間違いないんですよね。
　1月と2月を合算したときにどんな数字が出るかが課題です