学者から政務職官僚を経て、潜龍級の政治家に。

「政治新人」チョ·グクチョ·グク革新党代表が4·10総選挙で華麗なデビュー戦を行った。 11日午前1時、開票率25.06%基準のチョ·グク革新党は比例代表選挙で23.24%を得票し、22代国会で12議席の確保が有力だ。 これで趙代表は、政治家としての地位を立証し、野党の潜在的大統領選候補として急浮上した。 第22代国会で彼はイ·ジェミョン代表が掌握した共に民主党の代替材の役割を果たし、交渉と牽制を通じて存在感を育てていくものと見られる。 ただ、残っている最高裁の判決は、彼の政治的生命を一挙に終わらせる致命的な変数として作用する予定だ。 （中略）

致命的な変数がある。 司法リスクだ。 チョ代表は子供の入試不正および青瓦台監察もみ消し疑惑で2月の控訴審で懲役2年を宣告された。 最高裁でも刑が維持される可能性が高い。 チョ代表のファンダムに頼っているチョ·グク革新党の動力が失われるものと見られる。 その上、趙代表は5年間被選挙権を失う。 大統領選への出馬が不可能だ。 尹大統領の赦免権行使を期待しなければならないが、可能性は薄い。

この場合、チョ·グク革新党が民主党に吸収されることもありうるという観測が出ている。
（引用ここまで）

　1本目の更新で「チョ・グクはキャスティングボートを握ることに失敗した」と書きましたが。
　ちょっと視点を変えると、そうでもないパターンがあることに気がつきました。
　共に民主党の獲得議席は175。
　韓国では国会において重要法案を委員会に提出する過程で、出席者の2/3の賛成が必要なのですが。
　おそらく共に民主党単体では委員会で2/3を満たすことができません。

　そういう意味では「12議席を獲得した祖国革新党、並びにチョ・グク」は多少のキャスティングボートを握っているとはいえるかな……。
　ただ、記事にあるように大法院（最高裁に相当）判決が待ち構えています。
　その上、まず間違いなく有罪かつ実刑。事実認定がよほど覆るようなことがあっても執行猶予がつくかどうか。
　執行猶予がついても懲役のつく有罪判決が確定した時点で国会議員の座を喪失し、かつ被選挙権を5年間停止されます。
　チョ・グクは有罪判決が確定したと同時に次の大統領選にも、さらには次の総選挙にも出られないことが確定するのです。

　なので「チョ・グクが国政選挙に出る」って話を聞いた時には「いや、今回はいいよ、今回は。でも次に続かんだろ、これ」って思ったのですね。


　ちなみに「司法リスク」についてはイ・ジェミョンもまったく同じ状況。

野党の総選挙で勝利したが、イ・ジェミョン、チョ・グクの司法リスクは依然として……裁判の状況は？（京郷新聞・朝鮮語）

　公職選挙法違反（前回の大統領選挙）、背任（テジャンドン開発疑惑他）、贈収賄（FC城南スポンサー疑惑）、偽証教唆と公判は目白押し。
　特に公職選挙法違反で100万ウォン以上の罰金刑が確定すれば、国会議員の座を喪失。かつ、こちらも被選挙権を5年間失います。

　共に民主党、あるいは左派全体に広げてもイ・ジェミョンの次がいない。
　チョ・グクも同様。
　というか、次がいないのは国民の力も同様なんですけどね。

　チョ・グクが検察総長出身であるユン大統領を意識して、「検察国家解体」を叫んでいるのはこのあたりのリスクを認識しているからこそ。
　「自分が収監されたら（有罪判決が出て被選挙権を失ったら）、それは現政権が私を恐れているからだ」と述べているわけです。
　現在59歳。3年後は被選挙権喪失で無理でも8年後はあるかもしれないって布石なのかな。

　……自分の中で「チョ・グクの中の人、そこまで考えてないと思うよ」ってささやきがあるのですが、あえて無視します。