道路は車が走る場所。
トラックは物を運ぶ機械。
てめぇの倉庫ではありません。
そもそも、トラックはどうして台風の中を走らねばならないのか。
その大きな理由として挙げられるのが、配送される商品のメーカーがよく導入している「ジャストインタイム方式」という生産方式だ。
章男(盗用多)によって開発されたこの方式は、「必要なもの」を「必要なとき」に「必要な量」だけ供給するという考え方で、製造現場だけでなく、今や「無駄を省く」「効率を上げる」を徹底する日本の産業界において、多くの場面で幅広く浸透している。
こうして無駄な在庫品を現場で持たず、走っているトラックをいわば「倉庫代わり」にする荷主や、その日に入荷・加工し、その日のうちに出荷するというタイトなスケジュールを持つ倉庫の都合により、結果的にどうしても「指定日」「指定時間」にトラックが必要となるわけだ。
何より、物流にはいわずもがな、災害時こそ必要となるインフラ的要素がある。
今回筆者の取材に答えてくれたドライバーにも、台風の中、ガソリンや飲食料品など「無いと困る生活必需品」を運んでいた人が複数いた。
災害時ともなれば、普段以上にその必要性が高まることは間違いない。
しかし、突発的に発生する地震と違い、台風はある程度進路を予測し、事前準備ができる災害だ。
わざわざ雨風吹き荒れる中で多くのトラックが走らねばならない環境に鑑みると、物流業界におけるドライバーへの安全確保やコンプライアンス意識には、まだまだ改善の余地があると言わざるを得ない。
効率ばかりを意識する荷主と、需要があれば走らざるを得ない中小零細運輸のトラック。そして、危険な仕事でも走れることに「感謝」してしまうことすらある、ドライバーの給与形態。台風時の取材から見えてきたのは、「働き方改革」による大手のコンプライアンスの厳格化と、荷主都合の影響を直に受け、労働環境が過酷化する中小零細運送業者のトラックドライバー、という皮肉な構造だった。
今回、前出のように小売業界が休業したのは、その商品を運ぶトラックドライバーの身を守るという意味でも、大変意味のあることだったといえる。
数十年に1度という大きな災害が頻発している昨今の日本列島。身を危険にさらしてでも仕事をしなければ生活が成り立たない人たちにとっては、「働き方」も「改革」もない。いつか中小零細の運送企業で、「台風時はトラックを止める」と一斉判断できる日はくるのだろうか。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1911/08/news025_5.html
トラックの高速道路での最高速度、90キロへの引き上げを閣議決定…4月1日に施行
政府は27日の閣議で、高速道路を走るトラックの最高速度(時速80キロ)を時速90キロに引き上げる改正道交法施行令を閣議決定した。
トラック運転手の残業規制が強化され、物流業界の人手不足が懸念される「2024年問題」への対応で、4月1日に施行する。
警察庁によると、対象は大型トラックと中型トラックの一部(総重量8トン以上)で、1963年に国内で高速道路が初めて開通して以来、大型トラックの速度規制の変更は初となる。
警察庁の有識者検討会は昨年12月、高速道路での大型トラックなどの事故は大幅な減少傾向にあり、時速90キロを上限とする速度抑制装置の装着が義務付けられていることなどから、「交通安全に大きな影響をもたらすとは考えられない」とする提言をまとめていた。
警察庁が実施した改正案についてのパブリックコメント(意見公募)では、事故が重大化することへの懸念や、人手不足の解消には速度の引き上げより、運転手の労働環境改善が必要とする意見もあったという。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240227-OYT1T50141/
道路は車が走る場所。
トラックは物を運ぶ機械。
てめぇの倉庫ではありません。
そもそも、トラックはどうして台風の中を走らねばならないのか。
その大きな理由として挙げられるのが、配送される商品のメーカーがよく導入している「ジャストインタイム方式」という生産方式だ。
章男(盗用多)によって開発されたこの方式は、「必要なもの」を「必要なとき」に「必要な量」だけ供給するという考え方で、製造現場だけでなく、今や「無駄を省く」「効率を上げる」を徹底する日本の産業界において、多くの場面で幅広く浸透している。
こうして無駄な在庫品を現場で持たず、走っているトラックをいわば「倉庫代わり」にする荷主や、その日に入荷・加工し、その日のうちに出荷するというタイトなスケジュールを持つ倉庫の都合により、結果的にどうしても「指定日」「指定時間」にトラックが必要となるわけだ。
何より、物流にはいわずもがな、災害時こそ必要となるインフラ的要素がある。
今回筆者の取材に答えてくれたドライバーにも、台風の中、ガソリンや飲食料品など「無いと困る生活必需品」を運んでいた人が複数いた。
災害時ともなれば、普段以上にその必要性が高まることは間違いない。
しかし、突発的に発生する地震と違い、台風はある程度進路を予測し、事前準備ができる災害だ。
わざわざ雨風吹き荒れる中で多くのトラックが走らねばならない環境に鑑みると、物流業界におけるドライバーへの安全確保やコンプライアンス意識には、まだまだ改善の余地があると言わざるを得ない。
効率ばかりを意識する荷主と、需要があれば走らざるを得ない中小零細運輸のトラック。そして、危険な仕事でも走れることに「感謝」してしまうことすらある、ドライバーの給与形態。台風時の取材から見えてきたのは、「働き方改革」による大手のコンプライアンスの厳格化と、荷主都合の影響を直に受け、労働環境が過酷化する中小零細運送業者のトラックドライバー、という皮肉な構造だった。
今回、前出のように小売業界が休業したのは、その商品を運ぶトラックドライバーの身を守るという意味でも、大変意味のあることだったといえる。
数十年に1度という大きな災害が頻発している昨今の日本列島。身を危険にさらしてでも仕事をしなければ生活が成り立たない人たちにとっては、「働き方」も「改革」もない。いつか中小零細の運送企業で、「台風時はトラックを止める」と一斉判断できる日はくるのだろうか。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1911/08/news025_5.html
トラックの高速道路での最高速度、90キロへの引き上げを閣議決定…4月1日に施行
政府は27日の閣議で、高速道路を走るトラックの最高速度(時速80キロ)を時速90キロに引き上げる改正道交法施行令を閣議決定した。
トラック運転手の残業規制が強化され、物流業界の人手不足が懸念される「2024年問題」への対応で、4月1日に施行する。
警察庁によると、対象は大型トラックと中型トラックの一部(総重量8トン以上)で、1963年に国内で高速道路が初めて開通して以来、大型トラックの速度規制の変更は初となる。
警察庁の有識者検討会は昨年12月、高速道路での大型トラックなどの事故は大幅な減少傾向にあり、時速90キロを上限とする速度抑制装置の装着が義務付けられていることなどから、「交通安全に大きな影響をもたらすとは考えられない」とする提言をまとめていた。
警察庁が実施した改正案についてのパブリックコメント(意見公募)では、事故が重大化することへの懸念や、人手不足の解消には速度の引き上げより、運転手の労働環境改善が必要とする意見もあったという。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240227-OYT1T50141/