中国のSNS・微博(ウェイボー)で「電気自動車(EV)を急速に発展させる中国は道を間違えているのか」との話題が大きな注目を集めている。
中国のSNS・微博(ウェイボー)で「電気自動車(EV)を急速に発展させる中国は道を誤っているのか」との話題が大きな注目を集めている。
きっかけはある男性ネットユーザーが投稿した動画だった。男性は「最近、私は日本と韓国に十数日滞在したが、この間、二つの国で見たEVは合わせて10台にも満たなかった。ちょっとおかしいと思った。EVはエコでコストも安いはずではなかったのか。しかも、日本や韓国の科学・製造レベルを考えれば、EVを広めるのはわれわれ(中国)よりもずっと簡単なはずなのに。なぜ日本や韓国ではEVをあまり見かけないのか」と疑問を呈した。
その上で、「私は日本で長年生活している知人に聞いた。彼の奥さんは以前、スバルで働いていたことがあるそうだ。彼らは私にこう言った。実は日本や韓国、多くの先進国はずっと前にEVを広めようとしたことがある。しかし、その過程で三つの深刻な問題を発見した」と説明。「第一に、EVは実はエコではないこと。EVの電気の多くは火力発電によって賄われているから。第二に、電池が劣化した際に交換が必要で、そのコストが莫大(ばくだい)であること。第三に、最も重要なこととして電池による汚染が非常に深刻ということ。現在のところ、エコな方法で完全に電池を分解できる国はない」とした。
そして、「彼女の話を聞いて私はふと思った。私たちは道を間違えているんじゃないかと」と漏らしている。この動画は大きな反響を呼び、鳳凰網などのメディアも取り上げた。微博では13日に「ネットユーザーがEV発展は間違った道ではないかと疑う」がトレンド入りした。
ネットユーザーからは男性の主張に異を唱える声が多く、「イーロン・マスクもびっくりだな。日本はネットショッピングが遅れているが、これもわれわれが間違った道を進んでいるのか?」「こういうやつは米国に行って高速鉄道がないのを見たら、中国の高速鉄道に疑問を呈し始めるぞ」「日本人が造れないからわれわれが造った。それが道を誤ったということなのか?」「欧州の多くの国が十数年以内にガソリン車を廃止しようとしているのに、新エネ車発展が間違いだって?」「日韓はガソリン車が発達している。誰も自分で自分の生命線を改革しようなんて思わないさ」「中国がリードする分野は何もかも『間違っている』と言いたいのだろう」「日韓もまだEVが間違った道だとは結論付けていませんけど」などの声が上がった。
また、「中国の新エネ車はますます発展する。電池の回収技術も以前と比べて格段に進歩している。中国や米国がEV発展を進めるのは日韓などガソリン車の技術を避けるため。そうでなければずっと彼らのために下働きすることになる。中国は自分に自信を持たなければならない。上層部もばかじゃない」「道理があるように見えて実は何も考えていない。石炭火力は日韓にとって高価だがわれわれにとっては最も手に入りやすいエネルギーだ。それに、わが国の新エネルギー設備比率はすでに火力発電設備を上回っており、今後の電力の大部分は太陽光や風力で生み出される。そして、新エネルギー開発は石油依存から脱却するためであり、カーボンニュートラルにおいて必須の道だ」との声も。
一方で、少数ながら「私は最初からEV発展は大間違いだと思っていた」「電池の問題は早くから言われていた。環境に深刻な影響があるとね」「日本の科学者はリチウムイオン電池でノーベル賞を受賞した。彼らのEVへの理解は間違いなくわれわれの上を行っている」「ずいぶん前からこういう感覚があった。もしEVがエコで持続可能な健康的な発展が可能なら、科学研究や製造業で世界トップクラスの日本が手を出さないわけがない」と賛同を示すコメントも寄せられている。