入力2023.08.07. 午後 6:05

キム・ヘソン記者

[イ・ヘソン記者] 韓国の研究陣が発見したと主張する常温超伝導体「LK-99」の真偽をめぐって論争が起きている中、インターネット上ではLK-99が完全に浮上したという偽の映像が多数掲載されている。

インターネット上で中国の研究陣が作った完全浮揚したLK-99で話題になった映像。拡大後、フレームごとに分割すると、小さな鉄心のようなものが飛び出しては消える様子を見ることができる。(写真=ツイッターより)

7日、X(エックス)などのSNSでは、常温超伝導体LK-99の製作に成功したとして、磁石の上に物体が浮上する映像が多数投稿されている。これらの投稿はほとんど操作された映像だ。コインに糸を付けて動いて見えるようにしたり、物体の後ろにワイヤーをぶら下げて指やペンで触れるなど、超伝導体が実際に浮いているように見せかけたものだ。一種の「ミーム(meme-インターネット流行語)」で超伝導体を発見したと主張したり、簡単にインターネットの映像を信じないようにこのような映像を作り上げたのだ。

SNS上で超伝導体を作ったと投稿された操作映像。ほとんどが物体の後ろに鉄心をつなぎ、空中に浮いたように操作した(사진=SNSの画像)

中国の研究所で再現した超伝導体が「完全浮揚」したという映像も、操作の疑惑を受けている。先に、中国華中科学技術大学はビリビリ（中国版ユーチューブ）に超伝導体LK-99の合成に成功したと映像を公開したが、その後、中国研究陣の研究結果だとソースが分からない超伝導体関連映像が多数投稿されている状況だ。このうちビリビリには「LK-99」という説明と一緒に磁石の上に完全に浮上した映像がアップされ、ネットユーザーの大きな関心を集めた。
しかし、この映像を大きく拡大してフレーム単位で分割すると、LK-99と主張する物質に小さな鉄心が飛び出しては消えることが確認できる。この映像を最初に投稿した中国のネットユーザーも、映像が大きく話題になると、そそくさとオリジナルを削除した。

一方、超伝導学界では常温超伝導体発見の主張に懐疑的な見方がほとんどだ。国際学術誌「ネイチャー」は4日(現地時間)、「常温・常圧超伝導体に対する韓国研究チームの主張は”センセーション”を起こしたが、実験的にも理論的にも話題になるような研究は出ていない」とし、「研究者たちはまだ非常に懐疑的だ」と報じた。韓国超伝導低温学会も「現在までに報告された海外のLK-99関連理論および実験発表のうち、まだ超伝導性を確認した検証結果はない」という立場だ。