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今日のおりこうさん 　序
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　←　ローマ＝カノン法的訴訟手続までの裁判手続

今日のおりこうさん 　序2
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　←　ユスティニアヌス法典～ius commune～ローマ法大全

今日のおりこうさん　2
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　←　もう一つの対立軸としての、弾劾主義（告発主義）　対　糺問主義

The inquisitorial system was first developed by the Catholic Church during the medieval period.

※1　糺問主義の起源は、中世の異端審問でとられた手続である。それは、最初はかならずしも拷問をともなうものではなかったが、しだいに、自白をひきだすために拷問とむすびついていく。近世の刑事事件では、なお理論上は被害者訴追主義（弾劾主義）を原則としていたが、実務の上では、ほとんどもっぱら糺問主義手続が利用された。

The ecclesiastical courts in thirteenth-century England adopted the method of adjudication by requiring witnesses and defendants to take an inquisitorial oath administered by the judge, who then questioned the witnesses. In an inquisitorial oath, the witness swore to truthfully answer all questions asked of him or her.

13世紀イギリスの教会裁判所では、証人や被告人に裁判官の行う審問宣誓を要求し、裁判官が証人に質問するという裁判の方法が採用された。審問宣誓では、証人は問われたすべての質問に正直に答えることを誓う。

The system flourished in England into the sixteenth century, when it became infamous for its use in the Court of the STAR CHAMBER, a court reserved for complex, contested cases. Under the reign of King Henry VIII, the power of the Star Chamber was expanded, and the court used torture to compel the taking of the inquisitorial oath.

この制度は16世紀までイングランドで栄えたが、複雑で争いの多い事件のために用意された法廷である「星室庁」での使用で悪名が高まった。ヘンリー8世の治世下、星室庁の権限は拡大され、裁判所は拷問を用いて審問宣誓を強要した。

The Star Chamber was eventually eliminated as repugnant to basic liberty, and England gradually moved toward an adversarial system.

星室庁は基本的な自由を否定するものとして、やがて廃止され、イギリスは徐々に論争主義へと移行していった。

※2　ローマ＝カノン法的訴訟手続の特徴は、つぎの６点にある。

①裁判官による判決、②非公開・書面主義［「訴訟記録のなかにあるもののみが、存在する」］、③審級制の成立、④事実問題と法的問題の区別にもとづく分節訴訟の採用、⑤法律専門家［裁判官・弁護士・裁判所書記など］の関与、⑥カノン法的刑事手続［糺問手続］

ローマ＝カノン法的訴訟手続は、15-16世紀のローマ法継受とともに、世俗の裁判所にも受けいれられていく。しかし、すでに中世にも、教会裁判所は、世俗の生活に大きな影響をもっていた。教会裁判所と世俗裁判所の管轄は、たしかに分かれていたが、実際には、教会裁判所は、かなりの民事紛争をあつかうことができた。

司教区裁判所は、①聖職者間の紛争、②教会の財産と権利にかかわるトラブル以外にも、③聖職者と俗人との紛争、④寡婦・孤児・貧民などの要保護者の訴訟、⑤婚姻問題について、裁判をつかさどった。のみならず、⑥金貸しのようなあらゆる「罪深い」商業行為、⑦宣誓違反行為の訴訟をあつかい、当事者がのぞめば、⑧金銭・土地問題にかんする俗人間の訴訟をも受けつけたのである。

※3　近世糺問手続の特徴を、17世紀にヨーロッパ中でおこなわれた魔女裁判を例にみておこう。

まず、被疑者の逮捕については、私人による告発もなおありえたが、中心は、職権による逮捕へとうつっている。逮捕の根拠は、密告、世間の風評、間接証拠である。

逮捕後、牢に収容されて、尋問がはじまる。尋問は、取り調べを兼ねた裁判であり、職業裁判官（主席尋問官）と参審人（陪席尋問官）、裁判所書記が臨席する密室でおこなわれる。実際に尋問するのは、もっぱら職業裁判官である。

尋問は数日ごとのペースで、すみやかに段階をおってすすむ。初回は容疑の確認であり、次回に証人との対面がおこなわれる。第３回めに、尋問室に拷問具をもった刑吏が入室して、威嚇する。10日間ほどの熟慮期間がおかれたのち、第４回尋問で容疑を否認すると、それ以降の尋問ではほとんどつねに拷問が加えられる。指締め、足締め、紐吊るし、張り台伸ばしなどの拷問が、軽いものからしだいに重いものへと順にすすむ。

拷問をともなう尋問の目的は、自白をひきだすことである。拷問は、すでに中世後期に都市でも利用されていたが、当時は非市民にたいして行われる不名誉なものであった。しかし、自白は、中世のように神判や雪冤宣誓にもはや頼れなくなった結果、より合理的な証拠として重視されるようになった。近世に「自白は証拠の女王」とされた結果、拷問は、刑事手続のもっとも重要な要素となっていく。

自白が得られると、その内容が書面にしたためられる。被告が「自由意思で」書面内容を確認すると、尋問は終了する。

裁判所の判断が困難な事件のばあいには、法律顧問や大学法学部に鑑定意見が求められる。刑罰を加える当日、処刑・処罰にさきだって、民衆が見守る中、広場などで被告の罪歴と刑罰を書いた判決文が読み上げられる。その後すぐに、被告は刑場にひきたてられ、公開で刑罰が下されるのである。

※4　しかし、啓蒙主義がひろまるなかで、拷問が冤罪を生むことの危険性がしだいに意識されはじめる。たとえば、ハレ大学教授の自然法学者トマジウス（1655-1728）は、1701年、魔女罪は成立しないと主張し、1711年、拷問廃止を訴えた。このような糾弾をうけて、プロイセンやオーストリアの啓蒙専制国家では、いちはやく魔女裁判も、拷問も廃止されていく。

After the French Revolution, a more refined version of the inquisitorial system developed in France and Germany.

フランス革命後、フランスとドイツでは、より洗練された糺問主義が発展しました。　注：職権主義のこと

From there it spread to the rest of continental Europe and to many African, South American, and Asian countries.The inquisitorial system is now more widely used than the adversarial system.

Some countries, such as Italy, use a blend of adversarial and inquisitorial elements in their court system.

そこからヨーロッパ大陸の他の国々やアフリカ、南米、アジアの多くの国々に広がりました。現在、糺問主義は、論争主義よりも広く使われています。
イタリアのように、裁判制度に論争的要素と糺問的要素を混在させている国もある。

https://law.jrank.org/pages/7663/Inquisitorial-System.html

英米法だと、論争主義（当事者主義）　対　糺問主義という形で語られるのが普通です。