(写真：朝鮮日報日本語版) ▲金鍾大（キム・ジョンデ）元国会議員（左）と金於俊（キム・オジュン）氏（写真＝NEWSIS）

　韓国大統領室は6日、「天空」と名乗る占い師が尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領夫妻が住む官邸の物件を検討する過程に関与したという疑惑を主張した正義党の金鍾大（キム・ジョンデ）元国会議員を警察に告発した。大統領室の野党政治家に対する法的措置は、尹大統領夫人の金建希（キム・ゴンヒ）氏の歴訪写真に疑惑を提起した民主党の張京泰（チャ●・ギョンテ）最高委員に続き2人目だ。大統領室関係者は「客観的根拠もなく、シャーマン（巫術師）との関係があるように決め付け、無から有を創造するフェイクニュースを放置することはできなかった」と述べた。

　大統領室は金鍾大元議員を虚偽事実流布による名誉毀損の疑いで告発した。金鍾大元議員のインタビューを行ったジャーナリスト、金於俊（キム・オジュン）氏も共謀の疑いで告発を受けた。大統領室関係者は「金鍾大元議員は全く事実に反する内容を広め、金於俊氏はインタビューを意図的に行ったとみられる」と告発理由を説明した。

　金鍾大元議員は前日、TBS（交通放送）ラジオの「金於俊のニュース工場」に出演し、国防部高官から聞いた話として、「3月に陸軍参謀総長の公館とソウル事務所に天空が訪れ、公館管理官である副士官が案内したという証言を聞いた」と発言した。ユーチューブでは「金竜顕（キム・ヨンヒョン）警護処長が天空を同行し、陸軍参謀総長公館を下見し、その後大統領官邸が漢南洞の外交部長官公館に変更された」と主張した。

　これについて、金竜顕警護処長は「天空という人には一度も会ったことがない」という反応を示したという。大統領室は通信記録などに基づき、金竜顕警護処長と天空が今年3－4月に陸軍参謀総長公館などを共に訪問した事実はないことを立証する計画とされる。陸軍も「当事者として言及された副士官に確認した結果、全く事実に反する」とし、「虚偽の主張に強い遺憾を表明する」との声明を発表した。

　大統領室は「フェイクニュースには一貫した原則で法的責任を問う」とし、「フェイクニュースを工場のように排出すれば、汚染されるのは社会の空気だ」と指摘した。大統領室はこれまで法的措置に慎重だったが、最近野党が匿名の情報提供などで「信じようが信じまいが」式の疑惑を提起し始めたことで方針転換した。与党からは「9月の尹大統領の訪米当時に起きたMBC（文化放送）の字幕論争以降、大統領室が虚偽の暴露に対し、『厳しい対応』に立場を転じた」との分析が聞かれる。フェイクニュースを放置すれば、政府の信頼が根底から損なわれかねないと懸念している格好だ。大統領室は金建希氏のカンボジア歴訪当時の写真について、「少なくとも2－3基の照明を使用したコンセプト撮影だった」と主張した民主党の張京泰最高委員を先月22日に告発した。

　韓東勲（ハン・ドンフン）法務部長官も2日、尹大統領と韓長官のいわゆる「清潭洞酒席疑惑」に関連し、金宜謙（キム・ウィギョム）議員とユーチューブチャンネル「ザ・探査」の関係者を虚偽事実流布の疑いで警察に告訴した。韓長官は約30枚に及ぶ告訴状を提出し、金宜謙議員が事前にザ・探査側と共謀していたと指摘したという。韓長官はまた、ソウル中央地裁には金宜謙議員とザ·探査関係者を相手取り、10億ウォンの損害賠償請求訴訟を起こした。

　しかし、民主党の金星煥（キム·ソンファン）政策委議長は党内会合で、「もし金鍾大元議員の発言が事実ならば、それこそ第2の国政介入に相当するほど重大だ」と疑惑を指摘した。金星煥議長は10月にも金宜謙議員の「清潭洞酒席疑惑」について、「事実なら第2の国政介入だ」と発言している。「清潭洞疑惑」に言及したチェロ奏者A氏が最近警察で「全てうそだった」と証言したにもかかわらず、金星煥議長は謝罪しなかった。金宜謙議員は韓長官の損害賠償請求訴訟について、「刑事罰だけでなく、カネで口を塞ごうとしている」と反論した。金鍾大元議員も「発言を撤回したり謝罪したりする考えはない」と述べた。

キム・ドンハ記者、李海仁（イ・ヘイン）記者

https://news.yahoo.co.jp/articles/1f0480679b3b9051a2aaa80a7ac26d5dd84a01e9

https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/12/07/2022120780048.html