8日、韓国・国民日報などによると、韓国で最近、特定の年齢層や特定の身分にある人の出入りを禁止する「ノー〇〇ゾーン」が増えている。資料写真。
2021年12月8日、韓国・国民日報などによると、韓国で最近、特定の年齢層や特定の身分にある人の出入りを禁止する「ノー〇〇ゾーン」が増えている。
記事によると、釜山市のある大学近くの飲食店に最近、「ノー教授ゾーン」の張り紙が貼られた。この張り紙はSNS上で急速に拡散し波紋を呼んでいるという。
張り紙には「大変申し訳ありません。他のお客さまが快適に利用できるよう、〇〇大学の正規職の教授は店への出入りをご遠慮願います。もし入店する場合は、自ら大きな声で身分を明かさないようお願いいたします」との内容が書かれている。これについて同店店長は「店を営業する中で迷惑客が3人いたが、いずれも〇〇大学の教授だった」とし、「『ノー〇〇ゾーン』を嫌悪を示す方法の一つと考え『ノー教授ゾーン』の実施をためらっていたが、教授らの無礼さに対する嫌悪を表現するためなら良いと思った」と説明した。また「普段から(店の主な客である)大学院生たちは過度な業務と教授のパワハラにストレスを感じている」とし、「(大学院生たちを)休ませてあげるためにも担当教授と出くわすことのないようにしてあげたかった」と話したという。
韓国に「ノー〇〇ゾーン」が増えたきっかけは、数年前に「ノーキッズゾーン」ができたことだった。「他の客に迷惑がかかる」との理由でカフェやレストランが乳幼児の出入りを禁止したもの。また最近では、ソウルのキャンプ場が「ノー中年ゾーン」の方針を打ち出して物議を醸したという。
記事は「問題は、こうした『ノー〇〇ゾーン』が差別の場になるということ」だと指摘している。さらに、性別やアイデンティティなど他の基準を適用した「ノー〇〇ゾーン」が登場する可能性にも懸念の声が高まっているという。
これを受け、韓国のネット上には「迷惑客から被害を受けても我慢しろというのが良い社会なの?」「店にも客を選ぶ権利がある」「ノー2030代ゾーンができても私は受け入れる。拒否されているのにその店を無理に利用したくない」など、「ノー〇〇ゾーン」に肯定的な声が多く寄せられている。
一方、一部では「世代の差別は良くない社会現象。子どもは自分の過去、中年層は自分の未来なのだから、世代対立を避けるためにこうした差別はするべきでない」「最近の人は、自分の気に入らないものをすぐに排除しようとする。共存の方法を考えるべき」など否定的な声も上がっている。