日本政府は、新型コロナウイルス感染者が1万人を超えたイタリアに対しては韓国より寛大な入国制限措置を取っている。日本政府は10日、イタリアのロンバルディア州やヴェネト州など5つの州に最近2週間以内に滞在した外国人の入国拒否措置を発表した。日本政府が制限した5州に滞在していなければ自由に入国することが可能だ。イタリアに対する90日以内のビザ免除措置も維持することにした。

　イタリアは新型コロナウイルス感染者が中国に次いで2番目に多く、1万人を超えた。死亡者も11日現在で600人を超え、韓国よりも10倍以上多い。それでも日本政府は、先に韓国に対して強硬な入国制限措置を取った。日本政府は5日、韓国からの入国者を2週間待機させ、ノービザ入国を中止する一方、これまで発行された各種ビザの効力を停止する措置を取ると発表した。この時、韓国内の感染者数は6000人台だった。このため、「安倍内閣は韓国に対して差別的な措置を取った」という批判が出ている。

　駐日韓国大使館はこの問題を指摘し、日本政府に是正を要求している。だが日本政府は、イタリアからの訪日人数の方が韓国からの訪日人数よりも少なく、影響が小さいという理由を掲げていると言われている。昨年日本を訪れた韓国人は558万人、イタリア人は15万人前後だとのことだ。

　しかし、この論理通りなら、日本政府が中国と韓国に対して同じ入国制限措置を取ったことも説明できない。昨年日本を訪れた中国人は、韓国人の2倍近い960万人だった。さらに中国は11日現在、感染者が8万人、死亡者が4000人を超えた。東京の外交消息筋は「日本政府が新型コロナウイルス問題について各国に取った措置を見ると、韓国に対しては政治的な意図が隠れているという疑念を抱かざるを得ない」と話した。