[横糸縦糸] 痛恨のスーパーマリオパフォーマンス/ソ・ドンチョル論説委員
ソウル新聞
※一部要約
”スーパーマリオ”の主人公マリオは赤い帽子とサスペンダーズボン姿に、鼻髭を生やしたイタリアの配管工である。
日本の任天堂社が1985年に開発した”スーパーマリオ”シリーズは、世界で最も売れたゲームとしてギネスブックに載っている。
マリオが配管工なのは、”スーパーマリオ”の前身”マリオブラザーズ”から背景が地下だったからである。
スーパーマリオを作った宮本茂は「小さい頃、家の近所のマンホールの蓋を見て、中に入ったら果たしてどこに出るのか気になっていた」と述懐したりしていた。
2016リオオリンピック閉幕式で、安倍晋三日本総理がスーパーマリオのコスプレをして登場した。
次期オリンピック開催地を告げる内容で、東京の中心街にある緑色の配管の入り口に飛び込んだスーパーマリオが、あっという間に地球の反対側であるブラジル・リオデジャネイロのマラカナン競技場の真ん中に出てきた同じ色の配管の出口に飛び出てくるという設定だった。
ところが姿を現したのは、スーパーマリオ姿の安倍総理だった。
宮本茂の気になっていたことを、世界の人々に自然と明らかにした格好でもあった。
安倍のマリオパフォーマンスを政治的に見る人々は、2020年の東京オリンピックが成功をおさめるためには自分が必ず必要だという意向を示したと解釈する。
安倍の自民党総裁任期は2018年9月に終わるだけに、党憲を改正して任期を延長するという意思を間接的に示したということである。
韓日の摩擦を事実上主導している安倍だが、日本国内の政治にああしろこうしろというつもりはない。
むしろ政治的意味がどうであれ、中継放送を見守っていて、羨ましかったということを隠せなかったのが本音だ。
安倍のパフォーマンスは4年も残っている東京オリンピックが、すでに主エンジンの回転数を上げていることを示している。
一方、1年半しか残っていない平昌オリンピックは、すでに稼働を始めて当然の”ロードマップ”すら、いまだに点火以前の段階ではないかと心配している。
2014年のソチオリンピック閉幕式で、2018年の平昌オリンピックを告げるプログラムがなかったわけではない。
リオオリンピック期間も平昌組織委員会がコパカバーナ・ビーチに平昌広報館を作ってはいた。
だとしても韓国スポーツ外交は、リオオリンピックでもっと激しく平昌を刻印させなければならなかった。
韓国が同じようなパフォーマンスをそもそもできないというのは残念なことだ。
世界の人が共感するキャラクターを持てなかったからだ。
さらに大きな問題は、私たちの強みである情報技術(IT)分野まで日本に先手を奪われたということである。
東京オリンピック組織委員会は、スマートフォンをはじめとする廃IT機器の金属をリサイクルし、金・銀・銅メダルを作る方法を議論しているという。
平昌オリンピックが果たしてどんなアイディアで”環境オリンピック”を実現できるのか、気になるばかりだ。
そういう点で平昌を準備している人々だけは、マリオパフォーマンスを楽しさではなく衝撃として受け入れなければならない。
ソ・ドンチョル論説委員
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日本と韓国を比べるから哀しくなるのだ。
あと、韓国がITに強いと思っているのは韓国人だけである。