「『車いすです』と言ってもスマホを見て知らんぷりしたり、イライラした様子を見せたりする人がほとんどですね」
電動車いすに乗っている身体障害1級のチャン・ヒヨンさん(41、女性)と、チャンさんのホームヘルパーをしているホ・ミヨンさん(36、女性)は21
日午後、ソウル地下鉄4号線の東大門歴史文化公園駅で、閉まってしまったエレベーターのドアをじっと見たままため息をついた。ホさんは4年間、チャンさん
と一緒に町に出たり日常生活をサポートしたりしている。二人は「地下鉄を利用する時『高齢者・障害者優先エレベーター』に乗るのが最も難しい」と言った。
ホさんは「私たちが一番前で待っていても、ドアが開くと若い人たちがドッと乗り込むため、次のエレベーターを待つことがよくある。14日も30代の女性二
人が素早く車いすを追い越してエレベーターに駆け込んだため、しばらく待たされた」と言った。
地下鉄の駅に主に設置されている高齢者・障害者優先エレベーターを健康面に問題のない若者たちが利用しているせいで、本来エレベーターを利用すべき高齢
者・障害者が大変な不便を強いられている。本紙が14日から21日までの8日間、ソウル市内の地下鉄駅に設置されている公共エレベーターの利用実態を無作
為に調査した結果、全利用者の37-51%が高齢者・障害者・妊婦ではなかった。
16日午後、地下鉄4号線恵化駅で30分間にわたり公共エレベーターの利用実態を観察したところ、全利用者37人のうち「交通弱者」とは見なしがたい利
用者は18人(48.6%)だった。18日午後の地下鉄1号線ソウル駅では33人中15人(45.5%)、19日午後の地下鉄2号線江南駅では45人中
17人(37.8%)がエレベーターを使用しなくていいと思われる人だった。同日午後の地下鉄2号線弘大入口駅では全利用者33人のうち半分以上の17人
(51.5%)がエレベーターに乗らなくてもいいほど健康に見えた。
18日午後、ソウル駅で地下鉄を降り地上に上がろうとしていたオム・ギジュさん(69)は、地下鉄のドアが開いてすぐにエレベーターに駆け込む若者たち
に押しのけられ、ずっとエレベーターを待っていた。エレベーターはオムさんの前に立っていた約15人を2回にわたり乗せて運んだ。関節炎を患っているオム
さんは待ち始めてから3回目のエレベーターに乗ったが、それまで8分間ホームで待っていた。
健康状態に問題がない人はエレベーターのすぐ隣にあるエスカレーターや階段を利用してもいいはずだが、あえてエレベーターを利用していた。各エレベー
ターの回りには「高齢者・障害者専用」「高齢者優先」などと書かれているが、目をくれることもなく乗り込む。後ろに高齢者や障害者が待っていても「お先に
どうぞ」と譲る姿はなかなか見られなかった。
地下鉄駅の公共エレベーターは高齢者・障害者・妊婦などのためのものだが、利用できるのはそうした人々だけだという強制的な規定があるわけではない。このため、「高齢者などが多くなければ若い人がエレベーターを使ってもいいのでは」という人もいる。
地下鉄駅員はこうした現象を残念に思いながらも「事実上、(現状を改善するような)代案がない」とため息をついた。地下鉄1号線東大門駅の駅員は「高齢
者が若い人たちに押しのけられてエレベーターの近くで困っている姿を見ると、そこに行って一言言いたくなるが、人手が足りないためできないのが現実」と
語った。ソウルメトロ関係者は「このエレベーターは交通弱者のために設置されているのは確かだが、『専用』とは明記されていないため、
『罰』や『注意』をするのも難しい。弱い立場の人々に配慮する成熟した市民意識が不十分なようで残念だ」と言った。
最終更新:8月25日(日)10時26分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130825-00000370-chosun-kr
「『車いすです』と言ってもスマホを見て知らんぷりしたり、イライラした様子を見せたりする人がほとんどですね」
電動車いすに乗っている身体障害1級のチャン・ヒヨンさん(41、女性)と、チャンさんのホームヘルパーをしているホ・ミヨンさん(36、女性)は21
日午後、ソウル地下鉄4号線の東大門歴史文化公園駅で、閉まってしまったエレベーターのドアをじっと見たままため息をついた。ホさんは4年間、チャンさん
と一緒に町に出たり日常生活をサポートしたりしている。二人は「地下鉄を利用する時『高齢者・障害者優先エレベーター』に乗るのが最も難しい」と言った。
ホさんは「私たちが一番前で待っていても、ドアが開くと若い人たちがドッと乗り込むため、次のエレベーターを待つことがよくある。14日も30代の女性二
人が素早く車いすを追い越してエレベーターに駆け込んだため、しばらく待たされた」と言った。
地下鉄の駅に主に設置されている高齢者・障害者優先エレベーターを健康面に問題のない若者たちが利用しているせいで、本来エレベーターを利用すべき高齢
者・障害者が大変な不便を強いられている。本紙が14日から21日までの8日間、ソウル市内の地下鉄駅に設置されている公共エレベーターの利用実態を無作
為に調査した結果、全利用者の37-51%が高齢者・障害者・妊婦ではなかった。
16日午後、地下鉄4号線恵化駅で30分間にわたり公共エレベーターの利用実態を観察したところ、全利用者37人のうち「交通弱者」とは見なしがたい利
用者は18人(48.6%)だった。18日午後の地下鉄1号線ソウル駅では33人中15人(45.5%)、19日午後の地下鉄2号線江南駅では45人中
17人(37.8%)がエレベーターを使用しなくていいと思われる人だった。同日午後の地下鉄2号線弘大入口駅では全利用者33人のうち半分以上の17人
(51.5%)がエレベーターに乗らなくてもいいほど健康に見えた。
18日午後、ソウル駅で地下鉄を降り地上に上がろうとしていたオム・ギジュさん(69)は、地下鉄のドアが開いてすぐにエレベーターに駆け込む若者たち
に押しのけられ、ずっとエレベーターを待っていた。エレベーターはオムさんの前に立っていた約15人を2回にわたり乗せて運んだ。関節炎を患っているオム
さんは待ち始めてから3回目のエレベーターに乗ったが、それまで8分間ホームで待っていた。
健康状態に問題がない人はエレベーターのすぐ隣にあるエスカレーターや階段を利用してもいいはずだが、あえてエレベーターを利用していた。各エレベー
ターの回りには「高齢者・障害者専用」「高齢者優先」などと書かれているが、目をくれることもなく乗り込む。後ろに高齢者や障害者が待っていても「お先に
どうぞ」と譲る姿はなかなか見られなかった。
地下鉄駅の公共エレベーターは高齢者・障害者・妊婦などのためのものだが、利用できるのはそうした人々だけだという強制的な規定があるわけではない。このため、「高齢者などが多くなければ若い人がエレベーターを使ってもいいのでは」という人もいる。
地下鉄駅員はこうした現象を残念に思いながらも「事実上、(現状を改善するような)代案がない」とため息をついた。地下鉄1号線東大門駅の駅員は「高齢
者が若い人たちに押しのけられてエレベーターの近くで困っている姿を見ると、そこに行って一言言いたくなるが、人手が足りないためできないのが現実」と
語った。ソウルメトロ関係者は「このエレベーターは交通弱者のために設置されているのは確かだが、『専用』とは明記されていないため、
『罰』や『注意』をするのも難しい。弱い立場の人々に配慮する成熟した市民意識が不十分なようで残念だ」と言った。
最終更新:8月25日(日)10時26分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130825-00000370-chosun-kr