黒猫が最近読んだ本


まおゆう魔王勇者

これの原作。作者は橙乃ままれ。
この本を構成する文章の99%が会話であるという異色の小説。
形態としては戯曲小説というらしい。
もともとが、2ちゃんねるニュース速報(VIP)板のスレッド「魔王『この我のものとなれ、勇者よ』勇者『断る!』」を利用した即興小説。
この会話のみで構成される戯曲小説という形態も2chの小説に関連するスレではたまに見かけることがあったが、商業ベースにのったものはあまり見かけなかった。
作者と読者間に魔王や勇者という共通認識があって初めて成り立つ形式ではあるものの、中々に面白かった。
また、他の特徴としては登場人物に固有の名前は無く、全て魔王、勇者、メイド姉、青年商人などと、作中での立場や肩書きが名前の代わりとして用いられる。
これも2chでの投稿作品の定形の一つとして見かける形態ではあるものの新鮮だった。
お話は、学者肌の魔王と脳筋勇者が頑張るというお話。
展開はドラクエをベースに経済学や技術史やなんやかやをごちゃ混ぜにして、ある意味、現代的視点から西洋における中世の戦争を解決しようｗという話なので読む人を選ぶかも。
これから読もうという人は、せめてドラクエのⅠ～Ⅲぐらいまでやってから読むと良いかも？

ちなみに、出自が2chの投稿小説なので書籍として出版されてはいますが、文章自体はまとめサイトなどで読むことが出来ます。
http://maouyusya2828.web.fc2.com/
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/maou_kono_warenomonotonare_yuusyayo_kotowaru.html
この辺りかな。他にもあると思う。


ログホライゾン

これまたこれの原作。これまた作者は橙乃ままれ。
ちなみに黒猫の中の時系列では、先にこちらを読んだ。
で、作者に興味をもって「まおゆう」に手を出した、という流れ。
スタートはソードアートオンラインと同じような感じだが、こちらのプレイヤーは社会を築く方向に動いていくために、物語としてはまったく別の方向性を持っている。
作者はこういうお話が好きなのね、と「まおゆう」を読んで改めて感心した。
この小説も書籍として出版されてはいるものの原作はネット小説。
よって文章はネット上で閲覧できる。
http://ncode.syosetu.com/n8725k/

「まおゆう」とは異なり、ちゃんと地文もある普通の小説。
ただ、特筆すべき点としては、現在原作とアニメの進行が全く同じである事。
今週放送分からアニメが原作を追い越す進行状況なのかな？
しかし、物語としては同一であるため、作者は既にこれからエンディングにかけて物語は全て書き終えており、アニメとシンクロさせて発表してくる、という可能性もあると思う。

ネット小説とアニメのメディアミックスにおいての新しい関係の一つなのかな？

橙乃ままれ氏は、なかなか新しいことに挑戦し続けている作家さんだなと感心し、スレを立ててみた。