朝鮮土着蚕¥の品種について資料を探してきましたのであげておきます。

「朝鮮、支那蚕¥糸業概観」

大正2年横浜生糸検査所より出版のP35からP39より


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第四章　蚕¥


朝鮮に於ける養蚕¥の分布は甚だ廣きにも拘はらず、其収繭額十¥三道を通じて僅に二万千五百石に過ぎず。而して此飼養戸数は概算八万戸（四十¥四年度飼養戸数は未詳なり。四十¥二年度六万九千余戸。四十¥三年度は七万七千余戸なり。四十¥四年度は更に幾分か増加あるものと認め概数八万戸とす）即ち一戸に對し僅に二斗五六升に過ぎず、尤も当局官衛の推算に依れば実収額は統計面より遥かに多く三万石を超過すべしところなるも、此の場合に於いては飼育戸数も亦之に準じて増加すべきが故に、一戸当りの収繭額は実際統計の示す所と大差なかるべし。以て業體の尚甚だ幼稚なるを知るべし。
従て斯業の経営的方面に於ても將た技術的に於ても何等見るに足るものなく極めて幼稚且粗放なり。而して実際飼育の状況は既に世に公にされたる記載少なからざるを以て以下簡単に其概要を記述するに止むべし。


種類

従来行はれたるものは繭色に依りて之を分つときは、黄色繭緑色繭及白色繭の三種ありと雖も蚕¥の性質より云ふときは、何れも一化三眠蚕¥にして其品種は甚だ劣等なるものなり。
輓近内地種の一化蚕¥（春蚕¥）及二化蚕¥（夏秋蚕¥）、支那種も多少輸入せらる。移入せられ之を飼育する者ありと雖も尚多からず。
今勧業模範場に於て実験されたる成績に依り内地種と朝鮮在来種との優劣を比較せば左表¥の如し。


内地種朝鮮種蚕¥の比較



備考
一、内地種は勧業模範場小石丸、朝鮮種は別表¥所掲六種の平均数を示したるものなり
一、給桑量及収繭量は蟻量一匁に対する数を示せり
一、一升の絲量は座繅製絲を行ひて得たる数なり
一、給桑対生糸量は上繭のみに付き調査したる数なり



別表¥　第一